バシャーバシャー
「キャー。水月…冷たいよー」
バシャー
む…
「水月先輩。余所見は禁物ですよ!」「茜…それなりの覚悟は出来てるんでしょうね?」
「み、水月先輩…目が据わってます…」
ピュー!
「待て〜!」「二人とも、凄く楽しそう」
まったく、子供みたいな事をやってるなー
浜場から、水月と茜ちゃんの様子を見て笑う。
それにしても…この状況はやっぱり、まずい気が…
横をチラッと見る。そこには、水着姿の雪さんが俺にぴったりと寄り添っている
「皆さん、楽しそうですね」「そうだな。雪さんも…」
雪さんはぎゅっと俺の腕を握り絞める
やっぱり…駄目ですか
「来ないで〜!武〜助けて〜」「お待ち下さい…鎧衣様〜ハァハァ…」
あっちはあっちで、何をやってるんだ?
「見てみて〜武ちゃん。こんな大きい貝があったよ」「武。この魚は何というのだ?」
「ちょ…ちょっと、御剣さん。そんなの何処から…?」「…驚いてる」「武さ〜ん…」「だ〜煩い!一変にいうな〜!」
こっちはこっちで楽しくやってるな〜
『皆様、こちらにお集まり下さい!』
ん…何だ?
三バカの所に行くと、神代が箱を持ってたっていた
「集まりましたね。それでは、この箱から順番にくじをひいて下さい」
何でくじなんて?
くじをひき、広げて見ると中には5と書かれていた
何だ?この数字は?
一通り行き渡ったあとで、真那さんが手を数回叩くと、海から強大な液晶が現れる
画面に、トーナメント表が写しだされる。そして、一番下に二組ずつの数字が表示される
「真那さん…何ですか?あれ…」
液晶を指差す
「ビートバレーのトーナメント表で御座います」「お、俺…聞いて無いですよ…」「はい。申して降りませんから」
真那さんはあっさりと答える
「二組の数字はまさか…」「はい。ペアーを表してます」
やっぱり…えっと、俺が5番だからペアーの番号は2番か。誰だろう?
「水月先輩と頑張りましょう!」「茜…狙うわ!」「もちろん!優勝です!」
優勝候補の一つだな
「やったー!武ちゃんとペアーだー」「うげ〜何で純夏となんだよ〜。これなら鎧衣の方がましだぜ…」
「武様、一度決まったペアーの変更は出来ませんので…」「だってさ。武ちゃん、頑張ろう!」「仕方がないなー」
穴って所だな
「ウッシャー!まゆまゆ。勝って、御剣冥夜の息の根を止めるわよ」「御意!」
息の根って…大げさだなーまったく…
「玉瀬。そのなたとペアーだとは心強い」「冥夜ちゃんが一緒なら、きっと優勝できるね」
第二の優勝候補って所か
「何でよりによって…」「……煩い」「何ですって!」
世の中は不憫だな〜。犬猿の仲がペアーとは…
「孝之君…」「頑張ろうな」「うん。私達じゃあ、優勝は無理だよね…」「楽しくやろうぜ」「うん…」
何で、カップルがペアーかなー?
「ハァハァ…鎧衣様…この月詠真那、全身全霊を掛けて鎧衣様を…ハァハァ…」「た、武〜」
駄目だな。絶対に勝負なんて出来ないだろうな。だとすると、俺の相手は三バカの誰かか?
「私たちは」「試合には」「出ませ〜ん」
え!?だったら…残るは
「あの…」
振り返ると、雪さんが立っていた。雪さんはゆっくりと番号札を見せる。そこにはペアーの番号の2番が書いてあった
「そっか…雪さんがペアーか」「は、はい…でも…雪はバレーには自信が無くて…」
「別に良いんだ。楽しくやれれば、それで十分だろ?」
にかっと笑う
「そうですね…」
雪さんはにっこりと笑う
「真那さん…」「ハァハァ…ハッ!何でしょうか?」「優勝者には何かあるんですか?」
「はい。御座います」「いったい…何が?」「それは、優勝してのお楽しみです」「そうですね」「はい」
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