「雪さ〜ん…。行くわよ〜」
シーン…
何にをやってるのかしら?
見てみると、雪さんは恥ずかしそうにドアの影に隠れていた
「もー何やってるの?皆、先に行ったわよ…」「やっぱり…雪は…」「駄目よ!さ、行きましょ!」
雪さんを引っ張って、家から出る
「水月先輩!遅いですよ」「ごめん…」「どうせ、厚化粧でもしてたんだろ」
孝之は愉快そうに笑う
「何か…言った…」「いえ…何でもありません…」「たく…水月に本当のこと言ったら、殺されぞ!」
バキ!ボコ! ピクピク…
「ふん!」「大丈夫…ですか…」「死んだな!」「な、何で…俺の時だけ速攻…なんだ…」
雪さんの背中を押す。雪さんは、彼の胸のに飛び込んでいく
「あ、あの…これは…」
雪さんは彼の胸の中で慌てふためく。彼はそんな雪さんをジーと見ている
「可愛いな。その雪達磨の浴衣」「そ、そんな…雪には勿体無いお言葉…」「俺はお世辞を言ったつもりはないぜ!」
雪さんはボッと顔を紅くする
「水月先輩…良いんですか?」「今日だけは特別よ!さ、茜…行きましょ」「あ、はい…」
「あれ?水月は…?」「先程までは、そちらに……居ませんね」
たく…何考えてんだよ。人ごみのなかじゃあ探すのもほねだなー
「あの…どうしましょう…」「花火打ち上げの時間まで、出店見て回ろう。そのうち、水月達にも会えるだろうし」
「そうですね…。あ…」
雪さんの手を掴んで歩きだす
「え!?嫌だった?」「そ、そんな事はありませけど…」
雪さんは顔を紅くする。雪さんと一緒に出店を見て回る。そして、花火の時間になったので見える所に行く
「えっと…水月は…」
あたりを見渡していると、茜ちゃんが後ろから肩を叩く
「こっちですよ」「お、そうか…」
茜ちゃんについて行くと、ロープで仕切られ『予約席』と書かれた立て札が立っていた
真那さんだな…。まったく、恥ずかしいよ…
「さ、座って下さい。もう少しで始まりますよ!」「お、おう…」
適当な場所に座り、雪さんは俺の右横に座る。しばらくして、水月がやって来て俺の左横に座る
これって…両手に華ってやつか…?
思わず顔を紅くする。そして、花火が打ち上げ始まる。雪さんは楽しそうにそれを眺めている
そんな雪さんを見てふっと笑う
「お帰りなさいませ」「ただいま…なんで、門の所に居るの?」「それは、こちらに来て頂ければ、判りになるはずです」
真那さんの跡をついて庭に行くと、水の入ったバケツと大量の市販の花火セットが置いてあった
「真那さん…これ…」「はい、花火で御座います。もちろん、遙様のために蛇花火もご用意させて歌抱きました
それを聞いて、皆は一斉に笑いだす。涼宮は顔を紅くしながら下を向く
「遙…やろうぜ…蛇花火…」「うん…!」
孝之は蛇花火を抱えて、涼宮と一緒に行ってしまう
今日は何回くらい抱きついたのかな〜?
「30回です!」「うわ!茜ちゃん…いきなりだと驚きだろ。それより、数えたの?」「はい…」
花火を見ないで、何を見てんだか…
「はい。雪さん…」「有難う御座います」
雪さんに花火を渡したあとで、火をつける
「うわ〜。綺麗ですね…」「そうだな…」
雪さんと一緒に花火を眺めながら笑う。その時、水月が俺の背中に爆竹を放り込む
「うわ〜!ば、馬鹿!」「ふふふ…」
パパン…パン!
「ワギャー!」
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