お昼のニュースをみながらコーヒーをすする
『本日、無事に海開きがされました』「海開きですか?」「うん、そのニュースやってるわよ」
「今年はも行くんですか?」「もちろんよ!」「でも…人が多いですよ…」
それもそうね…。どうしよう?
「それなら、心配は要りませんよ。御剣家のプライベートビーチがございますので」
「え!?私達も要って良いんですか?」「はい!勿論で御座います。皆様は、冥夜様のご家族ですから」
やったわ…。御剣家のプライベートビーチっていったら、かなりの広さがあるわよね〜
「水月…先輩…何だか怖い…」「雪さんも行くわよね?あれ…?雪さ〜ん…どこ〜?」
あたりを見渡すと、雪さんは物陰に隠れて、小刻みに震えていた
ゆ、雪さん…あなたはいったい何をしてるんですか?
「すみません…海だけは…海だけは…許して下さい…」
だから…何を言ってるの?雪さん…
呆れ顔で雪さんを眺める
「雪さん…」
そっと肩を叩くと、ビクッと飛び上がったあとでゆっくりとこっちを向く
「ううう…水月さ〜ん!」
雪さんはいきなり抱きついてくる
「え、あの…ちょっと、雪さん…」「どうしたんですか?」「あ、茜…ちょうど良い所に来たわ。これ何とかして〜」
「これって…え!?」
茜は後ろに二、三歩さがる
「茜…一つ言っとくけど、私はそんな趣味はないから…」「それくらい、判ってますよ」
なら、何でいまひいた
茜に手伝ってもらい、雪さんを引き離す
「ふーん…海が怖いんだ〜」「はい…そうなんです…」
雪さんは軽く下を向く
「そんな気にすることじゃないと思いますよ。誰にでも、苦手な物はありますよ。たとえば…」
茜はどこからか取り出した、作り物のゾンビの手を私の肩に置く
「イヤー!」「ね!水月先輩は、これ系が苦手なんですよ」「あ〜か〜ね〜!」
しばらくお待ち下さい
「とにかく!海が苦手だからって、気にすることないわよ。この世には完璧な人なんて居ないんだから」
「だから、男を寝取られるのさ!」「何ですってー!」
「本当のこと言われて怒ってるさ。これだから、下等生物は…」「やる気…」「望む所さ!」「シャー!」
「うがああぁぁぁ…」「あの…お二人とも…」
雪さんはおどおどする。そこに真那さんがやって来て、あっさりとその場を片付ける
「さすが…真那様です…」
雪さんは感動する
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