子犬 |
たく…急に降りだすんだもな〜。たまんないぜ。 そんなことを考えながら、一人で学校から帰っている時、道端に座り込んでいる女の子に気が付く 何をやってんだ? その子は、自分が濡れるのも関係なく、ダンボールの上に自分の傘をさしている 何をやってんだか…自分が濡れたら意味ないだろ そっと近づいてその子の上に傘をさしてやる。その子は驚いた顔でこっちを見る 「何を考えてんだ?ずぶぬれだぞ…」「犬が…」 ダンボールの中を覗いて見ると、小さな子犬が寒そうに震えていた 「まさか…この子犬のために…」 その子は黙って頷く 「そっか…子犬も良いが、自分が風をひいたら意味が無いだろ?」「そう…ですね…」 その子はそういって、じっと子犬を見つめる 「私が帰ると、この子は…」 ダンボールの中で小刻みに震える子犬を見る 「よし!この子犬は、俺が連れて帰るよ!」「え!?」「このままだと、心配で帰れないだろ?」 「でも…ご迷惑じゃぁ…」「大丈夫だって!」 そういって子犬を抱えあげる。 「さ、帰って風呂にでも入って、体温めろよ!」 子犬が濡れないようにしながら、家に向かって走る 家に着いて、子犬をタオルで拭いたあと、ドライヤーで乾かしてやる 「ほら〜じっとしてろよ…すぐに乾くからな〜」 乾かした後、冷蔵庫からミルクを取りだして、さらに注いで子犬の前に置く 子犬は警戒した様子でミルクをじっと見る。 「大丈夫だって、誰もとったりしないから…」 子犬はじっと俺の顔を見た後、ミルクを飲み始める 「可愛そうにな〜。こんな小さいのに…捨てるなんて、ひどいよな…」 子犬は小さく鳴く。子犬の頭を撫でてやる 「何も心配しなくて、良いからな…」 子犬は嬉しそうな顔をする ピンポーン! 『は〜い!』「俺だけど…」「あ、ちょっと待ててね…」 ドアに鍵が開く音がした後、ゆっくりとドアが開いて中から、ジョニーが飛び出して来る 俺に飛びついて来て、俺の顔をペロペロとなめる 「元気だったか…ジョニー?」 ジョニーは大きな声で鳴き、尻尾をパタパタと振る 「よっぽど嬉しかったんですね」「も〜ジョニー!離れなさい!」「俺は、全然平気だぜ!」 「中で話しませんか?」「そうだね!ほら〜ジョニー、おいで…」 ジョニーは元気良く走って家の中に入って行く。俺もその後に続いて家の中に入る |
ーENDー |