窓の外を眺めて、ため息をつく
「何をしてるの?」「さぁ…さっきから、ずっとああしてますよ」「そ、そうなの…」
最近、ぶつけ過ぎたせいかしら…?
「水月先輩…何か思いあたるふしでも…」「え!?ないわよ…そ、そんなの…」
茜はしら〜と見て来る
「私が聞いてきましょうか?」「え、良いわ…私が聞いてくるから…」
「何をやってるの?」「何だ…水月か…」
再度、ため息をつく
「何か…悩みごとでもあるの?」「別に…」
再度、ため息をつく
「悩み事があるんだったら…」「別に良いよ。言っても無駄だから…」「何よ!無駄だって、決め付けて!」
「じゃぁ…俺の金欠をどうにかしてくれるのか?」「あ…それは無理!」「だから、言ったろ…無駄だって…」
そう言って、どこかに行こうとする。そのあとを追いかけて止める
「ねぇ…いったい何に使ったの?確か、十分にあげたはずだけど…」
ビク!
「色々だ…」「色々…?」「そう…色々…」
逃げようとしたので、肩をつかんでこっちを向かせる
「正直に、言いなさい…何に使ったか!大丈夫、別に怒ってないから…」
ニコニコ…
「結局、聞けなかったんですか?」「そうなの…断固として口を閉ざしてたのよ」
雪さんはそれを聞いて、何か思い出したような顔をする
「雪さん…何か心当りでもあるの?」「きっと、水月さんのためだと思いますよ」「え!?私のため…?」
「はい!」
雪さんはにっこりと笑う
「ねぇ…」
雪さんはすっと手を前にだす
「ここから先は、雪の口からは…」「そ、そうなの…?」「はい…。きっと、水月さんが喜びますよ」
私が喜ぶ…いったい何だろう?
「雪は仕事がありますんで…これで」「あ、うん…頑張ってね…」「はい…」
何かしら?
お風呂を済ませて部屋に入ると、彼はもう寝ていた
何よ!もう寝てるの!せっかく…
顔を紅くする
そのまま、髪の手入れをしてそっと横に入り、彼の後ろ頭をじっと眺める
『いい加減!教えなさい!』そう小さく呟きながら、彼の頭を突っつく
「何だよ〜?俺は、朝が早いから寝てるんだから…」「あ、ごめん…」「まったく…」
私…いったい何をやってるんだろ…
彼に背を向けるて眠る
翌朝、目を覚ますと彼はベットの上に座って居た
「よ!起きたか!」「え!?何で居るの…?」「何だよ…その言い方、居たら悪いような言い方だな〜」
「べ、別にそんなつもりじゃぁ…」「はい!」
彼は一つの箱を私の前に差しだす
「え!?」「覚えてないか?今日は、結構記念日だろ?」
あ!?そうだわ…今日は…
「貰っても…良いの?」「馬鹿な事を聞くな!良いに決まってるだろ!」「そ、そうね…」
そっとその箱を受け取る
「開けても…良い…?」
彼は黙って頷く。箱の中には、私の誕生石のペリドットの付いた指輪が入っていた
「ペリドットは、水月の誕生石だろ?それ、探すの苦労したんだぞ!」
そう言って苦笑いを浮かべる彼に抱きつく
「有難う…すごく嬉しい…」「そうか…それは良かった…」
しばらく、そのまま抱きついたままで居た
「失礼します…。お仕事の…あ!ゆ、雪は何も見ていません…」
雪さんは大慌てで部屋から出て行く
「さて、俺は仕事に行ってくるよ」「うん…頑張ってね」
頬にキスをする
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