90,000HIT記念品 |
体に重みを感じて、ゆっくりと目を開ける みなもが俺の上に乗って頬を引っ張っている。横に目をやると、そこには孝之が寝ていた。 もちろん、孝之の上に恵ちゃんが乗って頬を引っ張っている。 「みなもちゃん、本当に楽しいね♪」 「そうでしょ〜、もっと引っ張ってみよ〜」 「うん♪」 みなもが恵ちゃんから俺の顔に視線を戻した時に、目があった。 「……」「……」 しばらく沈黙があった後、みなもは恵ちゃんを引っ張るような感じで、部屋から出て行った。 恵ちゃんすごく名残惜しそうな顔していた。 頬をさすりながら部屋から出ると、ダイニングに同じ顔が6個あった。 正確に言えば、涼宮と茜ちゃんが来ていて、その側にみなもと恵ちゃんと真琴ちゃんが 居るだけのことなのだが…。 「お兄ちゃん!御はよー。ごめんね、昨日は…」 茜ちゃんは最初は明るく挨拶をして、その後で申し訳なさそうな顔して言う。 「ひのほはほめんね…ひまわくじゃはかった?(昨日はごめんね…迷惑じゃなかった?)」 涼宮は何かを口に含んだまま言ったので、何を言っているのかさっぱり判らなかった。 「お姉ちゃん…いもきんつば食べるのはいいけど、ちゃんと飲み込んでから…」 茜ちゃんはあきれた顔で言いう。涼宮は、はっ!と慌てていもきんつばを飲み飲み込んで言い直す 「昨日はごめんね…迷惑じゃなかった?」 「二人とも、そんなに気にすること無いわよ〜。日頃から子供はたくさん居るんだから〜」 台所から、ティーセットを持って来ながら言う。 「子供?」「そう!大きな子供がね…」 水月はチラッと俺の方を見る、その目線に茜ちゃんが気がつかない訳も無く、にや〜っと笑う。 涼宮は頭の上に『?』を出していた。当然だが、この間も恵ちゃんはいもきんつばを食べている。 「水月先輩、私たちで朝食を作らしてください。」 「え、どうしたの?急に」 「昨日、お世話になったから…そのお返しに…」 「三人で作りましょー」 「はい!」「うん」 三人は台所に消えて行く、みなもと一緒にテレビを見ることにした。 台所からすごい声が聞こえてくる。 「あ〜!お姉ちゃん、それはお塩だよ〜、お砂糖はこっち!」 「え〜!もう入れちゃったよー…う〜、どうしよ〜」 なんだかすごい物が出来そうだな。しばらくして、孝之が部屋から出てきてその後 涼宮が落ち込んだ顔で俺たちの所に来て、孝之の横に座ろうとした時、その間に恵がすばやく入る もちろんいもきんつばは手に持っている。 「何かあったのか?遙…」 「あのね、私が失敗ばっかりするから…二人が怒っちゃって…」 「そうだったのか〜…」 「うん…」 涼宮はさらに沈んでしまう。孝之がそっと耳打ちをする。その後涼宮は顔を紅くした。 何を言ったのか、俺には聞こえなかったが大体予想がつく。 「な〜、どっちからプロポーズしたんだ?」 「な、なんだよー!いきなり〜…」 「あ〜、それは私知りたい!」 涼宮は目を輝かせる。 「判ったよ、話すよ。でも、水月は内緒だぞ…」 「判ってるよ」「うん、絶対に言わないから」 まさか、こんなところでこんな話をすることになろうとは…ま〜仕方が無いか〜 「二人とも知ってるよな〜、あの丘のこと」 「ああ、もちろん知ってる」「うん、だってあそこで…」 孝之は慌てて涼宮の口ふさぐ。告白しあったほかに何かあるらしい 「ま〜、あそこで俺が付き合おうって言ったんだ」 「へ〜、そうなのか〜。っで何時のことだ?」 「そうだなー、水月がここをでて行って4年ごのことだ。俺の携帯に水月から電話があったんだ 『今度の休み会えない?』ってな。俺は、迷わずOKしたさ〜。その時に俺はもう決めてたんだ 水月とあったら、言うってな」 二人はおー!っといった顔をする。話を続けた。 「駅前で会って、そのままあの丘に二人で行って、しばらくお互いに何も話さなかったなー。 先に口を開いたのは、水月の方だった。『ね〜、皆は元気?』ってな。俺は元気だぞって答えて またしばらく沈黙さ〜。俺は決死の思いで言ったんだ、『俺と付き合ってくれ!ずっと好きだったんだ!』 ってな。水月はすごく驚いた顔をしてそして、にっこりと笑い『いいよ』って言ってくれたんだ」 二人はポカーンと顔をしている。二人の顔の前で手を振ってみる。 しばらくして、二人は我にかえる。 「ま〜、こんなところだ…」 「な〜、肝心なところが無いぞ!」 「うん、プロポーズのところ!」 二人はずいっと俺ににじり寄ってくる。思わず、後ろに下がる。 「判ったよ、話すよ!」 二人はうんうんと頷く。そして、話を始める。 「告白は、俺からだった。俺と水月の誕生日を祝ってる時だ。まずは誕生日プレゼント渡して その後、すっと言ったんだ。『結婚しよう…』ってな。もちろん水月は驚いてさ〜。 急に俺に抱きついてきて、耳元で泣いてるんだ。『嬉しい、すごく嬉しいよ…』って言いながら。 俺は、水月と向かい合いその後…はい、ここまで!」 「なんだよー、持った得つけるなよ〜!」「そうだよー、教えてよ〜!」 二人はブー!ブー!と言っていたが俺は無視をして、台所に行った。 「あ、ちょうど出来たとこなのよー。そこに置いてあるのは込んでくれる?」 「いいぞ。これだな」「うん、それ」 水月に頼まれた物をテーブルまで運ぶ。みなもはすでに座って待っている。 永遠も後から来て、つまみ食いをしようとしたのでしかってやった。 「美味そうだなー」「本当にそうだね」 「当たり前よー!私が作ったんだから」 「先輩…私も作ったんですけど〜…」 「茜ちゃんも頑張ったんだね」 茜ちゃんにニッコリと笑いながら言ってやると、茜ちゃんは照れて顔を紅くする 水月がそれを見て、俺の耳を引っ張る。 「いだだだだ……」 「私にはそんなこと、一回も言ってくれた事ないわよね〜!」 水月は脾肉たっぷりに言う。確かに俺は水月に言ってやったことはないような気がする。 「水月のは、言わなくても判るだろー」 「でもね〜、やっぱり言ってもらった方が嬉しいものなのよー!」 最後に耳を抓りながら離した。すかさず、耳がついているか確認する。 朝食を取っていると、茜ちゃんがいきなり言う。 「この後、プールでも行きませんか?」 「え、なんでまた〜」「そうだよ〜、どうして〜?」 「確かにな、なんでだ?」「何でプールなの?」 みんなの質問攻めにあって、茜ちゃんは困っている。 「ま〜、俺は今日は休みだし。別に構わないぞ」「孝之君が行くなら、私も行く!」 「私も行く〜!」 下で恵ちゃんが飛び跳ねて意思表示をしている。茜ちゃんはホッと一息ついて真琴ちゃんに聞いている 「真琴も行くでしょ?プール」「……行く」 「私は嫌だよ…」 みなもは拒否した。なぜかと言うと、みなもは泳げないのだ。永遠は泳ぎはすごく美味いが 勉強の方はまったく駄目なのだ。みなもは勉強はできるが運動系はまったく駄目ときている。 お互いに能力?を半分ずつ受け継いだみたいだ。 「俺は行くぞ!そして、勝負だ。真琴!」 永遠はビシッと真琴ちゃんを指差す。 「私だって負けないもん!」 真琴も負けじと言い返す。火花が散ってるようだったので二人の目線の間に指をそっと持っていく。 火傷はしないが、それなりに熱かった。 もちろん、母親同士も熱い火花を散らしている。この四人はほうって置いて、みなもを説得する。 「別に行ったからって、泳がなくてもいいんだぞ。見てるだけでもいいんだから」 「嫌〜!絶対に行かない!」「なら、一人で家に居るのか?」 「……それも嫌!」「なら、どうするんだ?」 みなもはしばらく考えて、行くことを了承した。 「まずは、家に帰って準備してプールのところで集合な」 「それはいいな」「うん、判った」「はい、判りました」 準備をしてプールに向かった。 後で判ったのだが、昨日のカレーで生還したのは、水月と永遠と恵(食べてない)だったらしい。 |
ー100,000HIT記念に続くー |