「おはよう…」「あ、おはよう御座います」
茜ちゃんが元気欲挨拶をする
「あれ…?茜ちゃんだけ?」「そう…みたいです」
茜ちゃんは辺りを見渡す
「コーヒーとパンで良いですか?」「悪いな…」「良い〜これくらのこと…」
茜ちゃんはコーヒーとトーストをだしてくれる
「私は、ちょっと用事があるんで…」「そうなの?」「はい…それじゃぁ」
茜ちゃんがだしてくれて、トーストをかじっていると、目の前を雪さんが通って行く
あれ…?今の雪さん…小さかったような気が…気のせいかな?
そんな事を考えながら、トーストをかじっていると、雪さんがやって来る
「あの…」「ん?」「この辺に小さな子が、来ませんでしたか?」
小さい子…さっきの子の事かな…?
「あっちに行ったぞ」
その子が行ったほうを指差す
「あちらですね…有難う御座います」
雪さんはパタパタと急ぎ足で消えて行く。トーストを食べ終わり、コーヒーで一息つく
「ふー」
目の前を小さい雪さんが通り過ぎ、そのあとを雪さんがおかけて行った
もしかして…雪さんの子供か…?可愛いな〜、あの子…もし、俺と雪さんの子供だったら…はっ!
さわ〜
「覚悟は…良いでしょうね〜?」「ま、待て…水月。俺には何の覚えもが…うぎゃー!」
ぷらーん…
「俺は無実だ〜!水月〜頼むから…降ろしてくれ〜!」
そう泣きながら叫ぶ
「何かあったんですか?」「私に隠れて、隠し子なんて作ってたのよ!」「え!?マジですか?」
「でも…無実だって、言ってるよ…」
遙は窓の外を指差す
「あれはね、口からのでまかせなの!」「ところで、誰と作った子供なんですか?」「雪さん…」『え!?』
それを聞いて、遙と茜は固まる
「な、何で…それが判ったんですか?」「さっき見たのよ。小さい雪さんが走って行くの…」
「小さい…」「雪さん…?」
遙と茜はきょとんとし顔をしながら首をかしげる
「でも、雪さんの子供だとすると、おかしい事があります!」「おかしい事?茜…何の、それ?」
「えっとですね…私は、雪さんのお腹が大きいところなんて、見た覚えが無いんです!」「あ、私も…」
そう言われてみてれば…そうね。あんな子が生まれるって事は、かなり前からお腹が…
「水月の早とちりみたいだね…」「水月先輩…早く降ろしてあげたほうが…」
「駄目よ!」「え!?どうしてですか?」「ああして天日干しすれば、悪い虫も取れるでしょ!」
「なるほど…」
茜はポンと手を叩いて納得する
「悪い虫ってどんなのなの?」「遙、孝之にだって居るのよ…」「そうよ…男には、絶対に居るんだから!」
「そうなの…?」「そうなの!」「だから!鳴海さんも…」
茜と一緒に遙に顔を近づける
「でも…孝之君に限って…」「じゃぁ…昔!水月先輩との事は、どう説明するの?」
グサ!
痛い…心が物凄く痛い…
「でも…今は、孝之は私のそばに居てくれるし…」「そこが危ないのよ!」「え!?」
「そばに居るからって!安心してると、昔みたいに!」
グリグリ…
いだだだ…心が抉られる
「あ…茜…。その話はそれくらいにしない…?」
机にへばりつきながらいう
「あ、私…」「あははは…良いのよ…別に。茜…カレー美味しいわよ!」
にっこりと笑いながらそういうと、茜は走って逃げる
「水月…」「何?」「そろそろ…降ろしてあげた方が…」
遙は窓の外を指差す。騒ぎ疲れて彼がぶら下っていた
「あ〜!」
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