転校生 |
「それでね…」「そうなんだ〜」「面白いでしょ?」「そうだね…ふふふ…」 友達と楽しく話をしていると、チャイムが鳴る。そして、先生が入って来る 「今日は、転校生を紹介する」『この時期に転校なんて、物好きだな〜』『男と女…どっちだろう?』 『美男子だったら良いな〜』『馬鹿〜!そんなの来るわけ無いだろ!』 「静かにして!入って…」 先生がそういうと、ドアがゆっくりと開いて金髪のツインテールの子が入って来る 可愛い…子だ…。 「自己紹介して」「はい。判りました」 そこの子は、にっこりと笑いながら先生を見る 「皆さん始めまして、大空寺あゆです。よろしくお願いします」 そう言って、深々と頭を下げると同時に、クラス中の男子が活気だつ 「静かに!席は…」 先生は教室の中を見渡す 「涼宮さんの隣が開いてるわね。あそこに座って」「はい!」 大空寺さんは私の横の席に座って、にこやかに微笑む 「よろしく…」「よろしく…」「出席を採るわよ!」 「ねぇ…知ってる?」「何が?」「遙のクラスに、転校生が来たらしいわよ!」「うちで無くって良かったな!」 ニヤニヤと笑いながらいう 「え!?何で…?」「暴力女が居るから!」 ミシ! 「誰が…暴力女ですって!」「ずみまぜん…」「どんな子かしら?ねぇ、どっちだと思う?」 「うーん…そうだな〜。男かな…」「じゃぁ、私は女よ。負けた方がドネルケバブをおごるのよ!」 「な、何〜!聞いてないぞ、そんな話!」 そう言いながら立ち上がる 「だって、今考えたから…」「何〜!卑怯だぞ!」 そう言いながら、水月を指差す。すると水月は手早く指に朱肉をつけて、紙に指を押し付ける 「これで、言い逃れは出来ないわよ!」「ふざけるな!これは無効だ!」「これ…何だか、判る…?」 水月は紙をちらつかせながらいう 「契約書!ほらここに『私が負けた時は、ドネルケバブを好きなだけ奢ります』って書いてあるでしょ?」 「な、何〜!」 どどどど… 「ん?何だの音だ?」「水月〜!」「え!?遙!」 涼宮は教室に入って来るなり、水月に飛びつく。そして、二人はその場に倒れこる 「どうしたんだ?そんなに慌てて…涼宮らしくもない」「孝之君は…?」 涼宮は半泣きで俺の顔をじっと見る 「孝之なら、転校生を見に行ったぞ!」「え〜!遅かった…」「え!?遅…かった…?」 訳がわからず、首をかしげる 「あいたた…いったい、何がどうなってるの?」「水月…」 涼宮再度、水月に抱きつく。水月は遙に強く抱きしめられて、苦しそうにもがく 「涼宮…いったい何があったんだ?」「私…怖いの…」「ゲホゲホ…怖い…?何でまた?」 「二人も知ってるよね?」「転校生のことか?」「うん…」「転校生に何かされたの?」 「ううん。何もされてないよ…」「じゃぁ何で?」「何だか判らないけど、物凄く怖いの…」 ガシャン! 「な、何だ!」 慌てて廊下に出てみると、涼宮のクラスの窓ガラス割れていた 「な、何があったんだ?」「行ってみましょ!」 うんと頷いて涼宮のクラスに向かって走った 「孝之!何やってるんだ!」「俺が知るか!いきなり、こいつが…」 孝之は、金髪ですこぶるほど目つきの悪い奴を指差す。 「お、おい…何で、あいつは机なんて持ち上げてるんだよ…」「俺が知るか〜!いきなり、机を…うわ〜!」 「ちょ、ちょっと…孝之!何かしたんでしょ、あやまりなさいよ…」「俺は…何もしてない!」 「だけど、あの怒り方は尋常じゃないぞ!」「知らないもんは、知らないんだ!」 「うがああぁぁぁ…!」「とにかく、孝之…。あとは何とかしなさいよ!遙…行こう」「う、うん…」 水月と涼宮は教室から出て行く 「それじゃぁ、頑張れよ!」 そう言って教室から出て行く 「この白状者〜!」「うがあああぁぁぁ…」 「遙、教室の騒動が治まるまで、ここに居た方が良いわ」「そうだな。怪我したら大変だからな」 「でも…」「あ、孝之なら大丈夫だって。絶対に死なないよ!」「そうね。孝之は殺しても死なないわね!」 「二人とも、さらりと酷い事を言ってる…」 この騒ぎを収めたのは、この学校の教員でもあり影の権力者の『夕呼先生』だった |
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