ふと見てみると、遙が気持ち良さそうに寝息をたてていた
そっと、布団をかけてあげようとした時に、遙が何か呟いたので聞き耳をたてる
「孝之君…ダメ…そんな…」
いったい、どんな夢を見てるのかしら?
「ああぁぁ…ダメー!そんな事されたら…私…」
遙の寝言を聞きながら、思わず顔を紅くする
「ダメ…もう、限界…やめて…」
孝之って、何時もこんなことしてるのかしら?
「あ!ダメ〜!」
思わず、生唾を飲む
「うー…負けちゃった…」
ズル!
なんなの…ゲームの夢を見てるのね
苦笑いを浮かべ、遙にそっと布団をかけてあげる
「遙…どんな夢を見てたの?」「え!?」
遙はびっくりした顔でこっちを見る
「随分と過激な夢を見てみたいねー」
ニヤニヤと笑いながら言う
「え!?えー!どうして、水月がそれを知ってるの?」「それはねー」
ふふんと笑いながら遙を見る
「秘密!」「えー!教えてよー」
遙は本気で知りそうな顔をする。しばらく、その顔を眺めて溜息をつく
「判ったわ。教えてあげる」「本当に!」
遙は目を輝かせる
そんなに嬉しいのかしら?
苦笑いを浮かべる
「えっとね…」「うん…」
その後、遙の寝言で言った事を全部教えてあげる。それを聞いた、遙は顔を紅くする
「一つ間違えれば、大変なことよ」「本当に…そう言ったの?」
遙はおどおどしながら聞いてくる
「まさか、私のことを疑ってるの?」「そうじゃ…ないけど…」「何ら、テープを聞く?」「え!?」
遙は真剣な顔で私の方を見る
「もう…冗談よ。そんなのあるわけないでしょ…」「ありますよ!」
ガン!
机で頭をぶつける
「真那さん…突然なんですか?」「テープでしたら。こちらに」
真那さんは一つのテープを机の上に置かれる
「どうして…真那さんがこんな物を?」「これは、この家のありとあらゆる音声が録音されています」
「って事は…」「はい…夜のたしなみもあります」
真那さんは顔色一つ変えずに言う。それを聞いて、顔から火がでそうになる
「ご安心下さい。その部分は消去済みでので」「どうして、これを作っての?」「それは…」
真那さんは顔を紅くする
「もちろん…」「遙…長くなるから。とりあえず、これを聞いてみましょ」
テープをセットし、再生のボタンを押す
「これって…」「恥ずかしい…」「処分すべきね!」「でも…真那さんに…」
「遙は、こんな物があるって良いと思うの?」
遙は首を横に振る
「何が消去済みよ!まるきり、そればっかりじゃない!」
テープを取り出して、窓から捨てる
ゴン!
「痛いですねー。誰ですか?こんな物を投げるのは?」
そう言って、緑の髪の人はテープを拾い歩きだす
「これでよし!」「でも…これで良かったのかな〜?」「良いの!」「良くありませんよ…」
プス! バタ…
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