御揃い
「水月先輩!」

ベタベタ…

「だー!暑いから、離れて!」「嫌です!」

ベタベタ…

「ねぇ…その制服の色って…確か、赤だったわよね?」「はい!水月先輩と御揃いが良くて…」

「やっぱり、校則は守らないと…」「校則なんて。私達の愛の前には、無力です!」

愛って…

呆れ顔で眺める

「水月…先輩…」

この声は…もしかして、茜!

「ダメ!こっちに来たら…」

慌ててそう言うが、もうすでに遅かった

ベタベタ…

「また…!離れなさい!」「いや…です!」

茜は必死に引き離そうとするが、必死にしがみついて離れない

「ハァハァ…あー!どうして、水月先輩と同じ色の制服を着てるんですか!」

「関係の無い事です!」「キー!」

茜はそう叫んで、どこかに走って行く

「さ、行きましょ…水月先輩!この前、美味しい桜餅を食べれる場所を発見したんです!」

そう言って、引っ張りながら歩きだす

「そこまでよ!」「誰ですか!私と水月先輩のデートの邪魔をするのは!」

だから、デートじゃないってば…

「これで、私も水月先輩とおそろいです!」

茜は勝ちほっこた顔で言う。茜も私と同じ色の制服を着ていた

いったい、何処から持って来たの?

「う…さすがに胸が苦しい…お姉ちゃんって、小さいんだから…」

まさか…遙のを着てるの?

「とにかく!水月先輩から離れなさい!」「嫌です!」「もー!二人とも、いい加減にして!」

二人は驚いた顔で私を見る

「どうして、仲良く出来ないの?」「だって…」「私は…」「仲良く出来ないんだったら、私の前に現れないで!」

二人はガーンとショックを受ける

これで、少しは懲りたでしょ


「御待たせしました…」

バチバチ…

はぁ…何でこうなったのよ。どうして、二人並んで座るのよ

「とにかく…桜餅を食べましょ…」

そう苦笑いを浮かべながら言う。二人は睨み合いながら、桜餅を口に放り込む

『おかわり〜!』

うわ〜!はもってる…

「私は、五個追加です!」「私は、十個追加!」「二十個追加です!」「三十個追加!」

バチバチ…

誰が出すのよ…そのお金?はぁ…

財布を開けて中身を確かめて、溜息をつく。当然の事ながら、野次馬も沢山集って来ていた

誰でも良いから、この二人を止めて…お願い。そうじゃないと、私の財布が…

「五十個追加!」『おお〜!』「六十個追加です!」

結局、二人同時にぶっ倒れ。私の財布は空になった。二人の体重が、10`増えたのは言うまでもない

ーENDー



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