「あれ…?」
茜は辺りを見渡してながら、キョロキョロとする
「どうしたの?」「あ、水月先輩。子供達が居ないなーっと思って」「あー、それなら心配要らないわ」
クスっと笑いながら言う
「え!? 何ですか?」「彼が連れて行ったから」「そうなんですか」
茜はウンウンと納得する
「それなら、安心ですね」「でしょ…」
ニッコリと笑いながら言う
「茜もお茶を飲む…?」
遙が台所から茜に聞く
「うん。お願い」「孝之は、まだ寝てるのね?」「そうみたいですね。これは、昔と変わりませんね」
茜は楽しげに笑う
「昨日は、寝るのが遅かったから…」
遙はティーセットを持って来ながら言う
「お姉ちゃんが、寝かさなかったとか?」
茜は悪戯ぽく笑いながら言う
ガシャン!
遙は、ティーセットを叩きつけるように置く
「茜ー!」「今のは、茜が悪いわね!」
遙はプンプンと怒る
「御免なさい…」
茜はしゅんとしながら誤る
「ふぁーあ…おはよう…」「あ、孝之さん。おはよう!」
遙は孝之に笑顔でそう言う
「孝…之…」「…さん?」
茜と顔を見合わせ、目をパチクリさせる
「水月先輩…聞きました?」「この耳でバッチリね!」
遙は、直感で感じ取ったのか、顔を紅くする
「あー、この呼び方か? これは、俺が頼んだ。何時までも、孝之君じゃぁ…可笑しいだろ?」
孝之は顔を紅くし、照れくさそうに笑う
「そうだったんですか…」「でも、そんなに変わりばえしないわいね?」
茜と一緒に、二人をじーと見る
「二人が聞いたら、そう思うかもしれないが…」「私ね…これでまた、孝之さんに近づけた気がするんだ…」
遙と孝之は顔を紅くして、照れくそうにする
何の…このバカップルは
「ねぇ。いっそのこと、孝之さんじゃなくって、孝之って呼んだろどうかなー?」「えー!そ、そんなの…」
遙は顔を真っ赤にしながら、手を振る
「でも…二人は夫婦なんだし…」「茜! 夫婦にも、いろいろな形があるのよ」
お茶を飲みながら言う
「あ、そうですね。先輩みたいな夫婦もありますからね!」「茜…それって、誉めてるの? 貶してるの?」
「水月…先輩…目がマジですよ…」
茜は後ろに二、三歩さがる
「じっくりと、その辺の事を聞かせて貰いましょうか?」
ニコニコと笑いながら言う。当然のことながら、目は笑っていない
「イヤー!」
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