「ただいま〜!」「お帰り!」
茜ちゃんは帰ってくるなり、鞄を置いてぐったりする
「そんなに疲れたの?」「はい…。水月先輩…行かなくて正解でしたよ…」
茜ちゃんの発言に、水月と顔を見合わせる
「ねぇ、それって…」「宴会です。千鶴達が、お酒を飲みすぎて…」「暴れたと…」「はい…」
茜ちゃんはぐてーと伸びる。
「涼宮はどうしてたんだ?」「お姉ちゃんですか? 一人で黙々と飲んでました…」
あ! そう言えば、前にもあったな
「あ、そうだ…」
茜ちゃんはフラフラしながら、鞄の中をゴソゴソとし始める
「はい、水月先輩」
水月に温泉饅頭を渡す
「あ、有難う!」「俺のは?」「え? お二人で一つですよ!」
茜ちゃんはさも当然と言う。
「私、部屋で少し寝ますから…」
茜ちゃんはそう言って、部屋に消えてゆく。
「ただいま戻りました」「あ、雪さんお帰りなさい」「どうだった? 温泉は?」
「はい、とても良かったです」「そうか。それは良かったな」「あの…これ、お土産です」
雪さんから、小さな袋を受け取る。
「水月さんも温泉か、何かに行かれたのですか?」「え!? 何でそう思うの?」
水月は目をパチクリさせながら聞く
「お肌が、すごく綺麗ですから」「そ、そう…有難う…」
水月は苦笑いを浮かべる。
「それでは、雪はこれを片付けきます」
雪さんは会釈して、部屋に入ってゆく。
「気がつかれて…ないよなー?」「たぶん…ね…」
二人で苦笑いを浮かべる
「ねぇ…雪さんのお土産って何?」「ん? なんだろ?」
袋を開けてみると、中から雪だるまのキーホルダーが出てきた
「ま、雪さんらしいと言えば…らしいな」「そうね」
水月はクスクスと笑う。
実はさっき、こっそりと渡された物がもう一つあるんだな! これは一人の時にでも。
水月に見つからないように、そっとしまう。
「また、賑やかな日常が帰ってきたわね」「この方が家らしいだろ?」「そうね!」
部屋でベットに横になり、雪さんにもらった物を眺める。
さて、これをどうした物か
キーホルダーと同じ袋を眺める。体を起こして、開けてみる中には、一枚の手紙が入っていた。
手紙?
早速、それを読み始める。
ふーん…なるほどな。
その手紙を持って、雪さんの部屋に行く
コンコン…
『はーい』
雪さんはすぐに出てきた。雪さんに手紙を見せると、中に入れてくれる。
適当な所に座り、真剣な顔で雪さんをジッと見る。
「この手紙…読んだよ」「そうですか…。ですから、ここに来られたんですね」
「まあな…」
しばらく沈黙が続く。
「ここに書かれてることは、真実なんだな!」「はい…。全部、真実です」
「そうか…」「雪は…」「大丈夫だ。安心して…」
そう言って優しく微笑む。
「それにしても、永遠が酒を飲むとわ」「すいません…雪がついてながら…」
「このことが、水月に知れたら…」
雪さんと一緒に身震いをする。
「この事は、俺の内に隠しとくな」
「はい…お願いします。雪はもう、貼り付けや吊り下げはもう嫌なんです…」
それを聞いて苦笑いを浮かべる。
「それじゃ」
そう言って部屋から出る。結局、このことは水月にばれて、雪さんはこっぴどく叱られた
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