670,000HIT記念品

「そういえば…もうすっかり、卒業のシーズンなんだな〜」「そういえば、私達の卒業式って…」

水月は横に座り、暗い顔をする。そんな水月の頭をポンと叩いてにかっと笑う。

それを見て水月は優しく微笑む。

そうだよな、俺達の卒業式に涼宮は居なかった…それは紛れもない事実だ。

「なあ。もし卒業式に涼宮が居たら、こんな感じだったと思うんだ」「え、どんなの?」

水月は興味津々で聞いてくる。


「だろう?」「そうね」「水月〜!」

水月と話をしていると、涼宮が駆け込んで来る。

「ちょ、ちょっと…落ち着いて。いったい何があったの?」「あのね…これ…」

涼宮は一つの封筒を見せる。

「その封筒って…アレだろ? 卒業式でみんなの前で読む…」「うん…」

「もしかして、遙が読むの!?」「うん…」

まあ、当然と言えば…当然かもな。

「水月が読むよりかは、涼宮の方が…」

ギュー!

「イテテテ…」「それはわる〜ございましたね〜! え〜!」「それにね…」「まだ何かあるの?」

「うん…皆の代表で証書を受け取るのも…」「遙…」「大変だな〜」

「水月にみんなの前で、緊張しない方法を教えて欲しいの…」「え!? 何で私の?」

水月は、驚きの表情で涼宮を見る。

「だって、水月は大会とかですごい記録をだしてるでしょ?」「まあね…」「たんに鈍いだけだったりして…」

ドス!

「ぐぉ…」「悪かったわねー! 鈍くて…」「何か方法があるんだったら、教えて欲しいの…」

「私は別に何もしてないわよ。無我夢中っていうのかしら、一生懸命にやれば緊張なんてしないわよ」

「やっぱり、鈍いんだな」

ゴリ!

「がはぁ!」「少し黙ってて!」「はい…」「そうなんだ〜。私に出来るかなー?」

「うーん…遙には難しいかもね…」

水月は苦笑いを浮かべる。

「遙! いい方法があるわ!」「え!? 本当?」「これなら遙にピッタリ!」

水月は自信満々で言う。『本当に大丈夫か?』と言いかけたが、それを飲み込んだ。

「良い…遙?」「う、うん!」

涼宮は真剣な顔で頷く。

「まず最初に…」


卒業式当日…

式は順調に進み、卒業証書の受け渡しになる。

『なあ、涼宮…大丈夫なのか?』『大丈夫よ。絶対に成功するわ』

水月は自信満々に言う。

本当に大丈夫なのか?

涼宮は階段をゆっくりと上がって行き、最後の一段で足を滑らして、頭をぶつける。

涼宮は、すぐに立ち上がって校長の前に行く。校長は心配そうに涼宮を見る。

無事に証書を受け取り、階段を下りて戻ってくる。

『やっぱり、無理だろう。掌に人を三回書いて飲み込むなんて…』『そうみたいね…』

水月は苦笑いを浮かべる。その後は何事も無く、式を終了する。



「こんな感じになりそうだろ?」「そうね。でも、遙が聞いたら怒るわよ〜」

「そうだな…」「う〜そうだよー。私をそんな風に見てたの?」「え!?」

慌てて振り返ると、そこには涼宮が立っていた。

「これは…例え話で…な〜水月…」「さてね。私は何も知らないわよ!」「お、おい…」

「自分で蒔いた種でしょ。自分で処理しなさい!」

水月はそう言って何処かに行く。その後、涼宮に事の次第を説明をした。


680,000HIT記念に続く

おまけ

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