640,000HIT記念品

「さてと、出かけるか〜!」「何処かに行かれんですか?」「花見の場所取にな…」

雪さんは不思議そうに首を傾げる。

「水月に言われる前に、行っとこうと思ってな」「そうなんですか…」「何処かに行くの?」

「ん? 花見の場所取に決まってるだろ?」「あ、今年は良いわ」「え!? 毎年、俺を脅して…」

スパン!

「誰が…脅してるって〜! えー!」「すみませんでした…冗談です…」「誰に頼んだんですか?」

「それは秘密よ」「どうせ、脅して…」「病院に行きたい? それとも…死にたいのかしら?」

水月は指を鳴らしながら近づいて来る。

「水月…落ち着け…冗談だ。判るだろ? ギャー!」


「お! いい場所が開いてるぜ…」「お! 本当だ。あそこにしようぜ」

「うがあああぁぁぁ…!」「うわ〜! な、何だ…」「他を探しなさい。もうここは予約済みよ!」

「なんだよ! このガキが!」「ガキ…」「こんな煩いガキなんてほっとこうぜ!」「そうだな!」

「うがあああぁぁぁ…! 誰がガキじゃ〜! ボケ〜! コンクリはかせて、東京湾に沈めるぞー!」

「ひ〜!」「助けて〜!」「はん! 私から場所をとろうなんて千年速いわよ!」


いててて…水月の奴、本気で殴りやがって…死ぬかと思ったぜ。ん? あそこに居るのは…確か

「こんな所で何をしてんだ? また勉強をサボってるのか?」「違うわ! ボケ〜!」

「じゃあ…何をしてんだ?」「はん! お前には関係ないさ!」「そうか、じゃあな!」

そう言って歩きだしすと、ズボンを引っ張られる。

まったく、素直じゃないんだからな…。

「何だ? 頼みごとか?」

彩は黙って頷く。

「なら言ってみろ。聞いてやるから」「家の母親…何処に言った知らない?」

「居ないのか?」

彩は頷く。

なるほどな…あゆに行かせたわけか〜。でもどうやってだ?

「知ってるの?」「心配要らないって、明日には帰ってくるって」

そう言って彩の頭をポンと叩いて笑う。


夕食を終えて…

「そういえば、花見って明日だよなー?」「そうよ!」「何時から行ってんだ? 場所取」

「昼位からかしら?」「ひ、昼から!」

「うん! 大丈夫よ。核弾頭だもん、風邪なんてひかないわよ。それに、快く引き受けてくれたしね」

「どうせ…また、御剣財閥の名前使ったろう?」

それを聞いて水月はドキッとする。

「やっぱりな、そんなこったろうと思ったぜ! あの大空寺がそう簡単に引き受けるわけないのもんな〜」

「結果として、行かなくて済んだんだから良いじゃない…」「それも…そうだな」

ポリポリ…


翌日…

「え!? みなもが風邪をひいたって…」「そうなんです…」「有難う。ちょっと行ってくる」

子供部屋に行き、中に入る。

「調子はどうだ?」「うん…今は薬を飲んだから、楽になったてる」「そうか…」

「ごめんなさい。私のせいでお花見行けなくなちゃった…」

みなもは申し訳なさそうな顔をする。そんなみなもの額に手を置いて笑う。

「元気なったら、一緒に行こうな。お花見」「うん!」「約束だ。それじゃあ、おやすみ…」

みなもにそっと布団をかけてやり、手を握る。

「寝るまで側に居るから」「うん!」

みなもはゆっくりと目を閉じる。しばらくして、寝息が聞こえて来たのを確認して、手を離そうとする。

ん? お、おい! 水月の時と同じオチかよ…誰か〜助けて〜!

結局、みなもが目を覚ますまで、その場に居る事になった。


「ばくしょん! ちくしょうめ〜! あ〜さむ…それにしても、あいつら何時になったら来るのさ?」

大空寺が中止になった事を知るのは、翌日のことであった…


650,000HIT記念に続く

おまけ

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