手紙

何時ものように学校に向かっていると、遙が前を歩いているのが目に入る。

走って遙に追いつく。

「は・る・か!」「あ、水月…おはよう」

遙は笑顔でそう言う。

相変わらず屈託のない笑顔ねえ。

そのまま、話をしながら下駄箱まで向かう。

下駄箱について、遙が蓋を開けると中から大量の手紙が落ちる。

相変わらず、すごい人気ね。どれどれ…。

数枚拾いあげて、差出人を見る。

「ふーん…結構、人気のある男子からじゃない。でも、これはゴミね!」「え!? どうして?」

「だってー遙には…愛しのた・か・ゆ・きが居るでしょ!」

遙はボッと顔を赤くし、ポカポカと叩いてくる。

ふふふ…遙って、こんな所が可愛いのよね。

「でも…一生懸命に書いたんだから…読んであげないと悪いよー」「まあ…それもそうね…」

遙にさっき拾った分を渡して、自分の下足箱へと行き蓋を開ける。

バサ!

「わ〜、水月も沢山…」「はぁ〜…」「嬉しくないの?」

黙って散らばった手紙を指差す。遙は手紙を数枚拾い差出人を見る。

「え…ええ…」「判ったでしょ…」「水月って…そんな趣味があったの?」

ゴン!

下駄箱に頭をぶつける。

「でもね…水月にどんな趣味があっても、私達は親友だから…」「遙…良い! 私はそんな趣味なんて無いから!」

「え…そうなの? だってほら、この手紙の差出人…女の子からだよ…」

遙は手紙の差出人を指差す。

「最近よくあるのよ! まったく、困ったものよね…私は、そんな趣味は無いのにね…」

苦笑いを浮かべる。

「水月って…本当にそんな趣味ないの?」

この子…まだ信じてないわね…。

その後、しばらく遙は私を軽蔑の眼差しで見詰る


ーENDー



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