朝起きると、テーブルの上に一枚のメモ用紙が置いてあった。
何だこれ?
見てると、そこには…
「あ、あんですと〜!」
「水月先輩が実家に帰った〜!」「え〜! ウソだよね〜?」
黙って首を横に振り、二人にメモを渡す。受け取った二人はそれを見る。
「ねえ、茜…これって…うぐ」『し! 言っちゃ駄目!』『へも〜』『良いから!』『ふ、ふん…』
「メモはこれだけですか?」「ああ…それだけだった」「何か心当たりでもあるの?」「心当たりか〜」
うーん…なんだろうなあ?
「雪さんと一緒に寝てたとか!」
ガン! ゴン!
机で頭をぶつける。ちょうど通りかかった雪さんは転ぶ。起き上がり、愛想笑いをした後で走って行く。
「あ、茜〜。それは絶対に無いよ〜。無いよねー?」
涼宮は真っ直ぐに俺を見る。
「いや…あのその…なんだー」「あったんですね!」
茜ちゃんは呆れがで言う。
「アレは事故だったんだ。それに随分と前の話しだし…」「他にも何かありそうですね〜」
茜ちゃんはニヤーと笑う。
「さー、全部はいて楽になりないさい…」「ちょっと待て! 何で留置所になってんだ!」
「演出ですから、気にしないで下さい! それより、白状してもらいましょうか〜!」
その場から走って逃げ出す。
「逃がしません!」
茜ちゃんはスポーツバックを投げる。スポーツバックは見事に後頭部にヒットして、その場に倒れる。
「まったく、何をやってるんですか? 水月先輩が実家に帰ったのは判る気がしますね!」
しゅん…
「ただいま〜! あれ? 何をやってるの?」「お帰りなさい!」「水月。お帰り」「え!? 水月…?」
「どうしたの? 狐に摘まれたような顔して?」「実家に帰ったんじゃあ…」「あ〜アレね!」
水月はカレンダーを指差す。
「今日は何の日?」
そう言ってニッコリと笑う。
「あ〜!」「判った? まさか、本気で私が実家に帰ったと思ってたの?」
顔を赤くする。
「普通すぐに気が付きますよー」「って事は、判ってたんだなー?」「私は、やめようって言ったんだよ」
「お姉ちゃんずるい! 自分だけ…」「さっきはよくも、スポーツバックをぶちあててくれたね〜!」
ボキボキ…
「あは…あははは…さいなら〜!」「待てコラ〜!」「いったい、何があったの?」「かくかく…しかじか…」
「へー、それでね〜」「良いから、そこになおれ〜!」「気がつかなかった、自分が悪いんじゃないですか〜」
「うるせ〜!」「もう〜、仕方が無いわねー」
水月はソフトボールを取り出して投げる。ソフトボールは後頭部にヒットし、その場にのびる。
「もう少し、大人になりなさい!」「すみません…」
水月にそう言われて、正座しながら小さくなる。
「茜も、判ってるんだったら。教えてあげなさい!」「はい…」
茜ちゃんはしゅんとする。
「少し、反省してなさい!」『はい…』
さらに小さくなる
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