ん? 牡丹餅…か?
テーブルの上に置いてある牡丹餅に気がついて近づいてみる。
キョロキョロ…
誰も見てないよな…。
一つ口に放り込む。
う、美味い! もう一つ。
もう一つ口に放り込む。
きっと、雪さんが作って置いといたんだろうなー。それにしても美味い!
「どうぞ!」
雪さんがお茶を出してくれる。
「あ、有難う。これ、雪さんが作ったんだろ? すごく美味しいよ」「え、雪は作ってませんよ?」「え!?」
ポロ…
「作って…無いの?」「はい…」「何だーそうだったんだ。だったら水月が…」「私も作ってないわよ」
「え!? だったら、茜…」「私も作ってませんよ。わ〜美味しい」
だったら、いったい誰が作ったんだ?
「あにやってるのさ?」「ん? 牡丹餅食ってんだ!」「ん? あ〜! 私が作っておいた牡丹餅が〜!」
ブー!
「ゲホゲホ…」「あにやってるのさ?」「お前が変な事を言うからだ!」「私が何時、変なことを言ったのさ?」
「今だ! 今! これをお前が作ったて…」「うがああぁぁぁ…! 私が作って何がいけないのさ!」
「確かに、意外性bPよね。ハムハム…」「そうですね。まさか、こんな美味しいのが作れるなんて…ハムハム…」
大空寺は小刻みに震えだす。
「うがあああぁぁぁ…! お前ら…全員ねこのうんこ踏め〜! 踏め〜! 踏め〜!」
すっかり空になった容器を眺める。
「まさか、大空寺が作ったとはな…」「本当ね、驚きね」「それは、私がレシピをお教えしたです」
「マナマナが?」
スパン!
「マナが一つ余計ですよ…家主様!」「ずみません…」「何で真那さんが?」「それは…」
真那さんはポッと顔を紅くする。
「鎧衣様のために…」「長くなりそうね…」「そうだな…」
気がつかれないように、そっとその場から離れる。
「きっと鎧衣でしたら…」
「孝之くーん!」「ん? どうした?」「はい!」
孝之君に手作りの牡丹餅の乗った入れ物を差し出す。
「食べても良いのか?」「うん!」
にっこりと笑いながら頷く。
「それじゃあ、一つ貰うな」
孝之君は一つ取り、口に放り込む。
「どう…かな?」「うん! 美味い!」
孝之君は指でOKサインをさだす。
「遙も食べてみろよ?」「わ、私は良いよ…孝之君が全部食べて…」「そうか? じゃあ遠慮なく」
言えないよー作る時に食べ過ぎたなんて…。ふえーん、体重計に乗るのが怖いよ〜。
おまけ…。
えーちなみに、涼宮遙さんの体重は…
「イヤー!」
ガン!
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