610,000HIT記念品

ふー、疲れたなー。

「お疲れさまです。どうぞ」

雪さんからコップに入った麦茶を受け取って飲み始める。

「それにしても…すごいよな~」「そうですね。あの真那様まで…」

まあ、水月はこの家の一番の権力者だからな。金庫番でもあるし…勝てる奴なんていないな…絶対に。

「コラー! サボるなー!」「やべ! 見つかった…」

ピュー!

「あ、コラ…待てー!」


キョロキョロ…

何とか、まいたようだな。

トントン…

後ろから肩を叩かれ、小さく飛び上がる。ゆっくりと、後ろを振り返ると雪さんが立っていた。

「何だ~、雪さんか…脅かさないでくれよ…」「すみません…雪はそのようなつもりでは…」

「気にしなくてもいいよ」「そうですか?」「うん!」

雪さんはホッと肩を撫で下ろす。

「ここで何をしてるんだ?」「こちらの方に行くのが見えたので…」

「何だ、そうか…俺はてっきり水月に頼まれて、俺を連れ戻しに来たのかと思ったぜ!」「え!?」

雪さんは驚いた顔で俺を見る。

「まさか…」「はい…」

雪さんはすばやく俺を蓑虫の状態にする。当然、立っていられずにその場に倒れこむ。

「ごめんなさい…」「ふーん、こんな所にいたんだ~」「み、水月!」

ヘコヘコと動きながら逃げようとする。ロープの先を水月に踏まれる。

「何処に…行こうって言うのかしら~? え~!」「いや…あの…その」「良いからいらっしゃい!」

水月はロープの端を持って歩きだす。

「サボったぶん! 確り働いて貰うから!」「許して~!」

ズリズリ…


「だは~! 終わったぞ…」

会場設営を終えて倒れこむ。

いくらサボったからって、残りを一人でやらせるか…普通。

「お疲れ様」「お疲れ様でした。はい、お絞りです」「サンキュー」

雪さんからお絞りを受け取って顔をふく。

「どうぞ…」「お、悪いな」「いいえ…」

今度はコップに入った麦茶を渡してくれる。

「残るは、主役が帰って来るのを待つだけだな」「そうね。じゃあ、今から打ち合わせるわ」


620,000HIT記念に続く

おまけ

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