朝飯を食べていると、目の前を雪さんが忙しそうに行ったり来たりする。
雪さんって真面目だよな〜。倒れないか心配だよな〜やっぱり。
そんな事を考えながら、トーストを齧る。食べ終わって片付けていると、雪さんの叫び声が聞こえてくる。
「な、何だ!?」
慌てて声のした所に走って行く。
「雪さんだい…じょうぶ…?」
雪さんの胸を永遠ががっしりと掴んでいる。
「あ、そんな事をされたら…。雪は…雪は…」
ガン!
「コラ! 何をやってんだ!」「はあはあ……」「いっていな〜! ちょっと調べてただけだって」
調べてた? 雪さんの胸を掴んで揉む事が? 羨ましい…いやいや…俺は何を考えてんだ。
「何を調べてたんだ?」「胸の大きさ!」『え…?』
雪さんと一緒に目をぱちくりさせる。
「何でそんなもんを調べてるんだ? しかもあんなやり方で…」「雪に聞いてくれればお教えしますのに…」
「賭けをしたんだ」「賭けですか?」「うん…誰の胸が一番大きいかって…」「は〜?」
何を考えてんだ? 最近子供は?
「で、お前は誰にしたんだ?」「雪さん!」「雪をですか? そんな…雪はそれほど大きくありません…」
「で、結果はどうなんだ?」「ここに書いてあるよ」
永遠は一冊のノートを取り出し、いっしょに眺め始める。
どれどれ…。
ヒュ…!ガン!コロコロ…。
「まったく、何を考えてるのよ! それと、これは預かります!」
水月は永遠からノートを取り上げる。
「あ…」「そんな目で見ても駄目! 返しませんから!」
永遠はしゅんとし、部屋の方に歩いて行く。水月はそれを見送ると、早速ノートを見る。
雪さんも気になるのか、覗き込む。
「ところで…雪さんのサイズは?」「雪は…」
水月は雪さんから聞いたサイズを書き込む。パタンとノートを閉じる。
「まあ、こんな物で人間の価値が決まるもんで無いわ!」「結果が悪かったのか?」
バコ!
「五月蝿い!」「お、俺は…質問しただけ…ガク」「雪さん!」
水月は雪さんを睨みつける。
「は、はい…何でしょう…?」「これ、処分しといて!」「あ、はい…」
雪さんは水月からノートを受け取る。
「まったく、誰が調べたのよ! 私はそんなに小さくないわよ!」
水月はそう言いながら、俺を引っ張って部屋に連れて行く。
雪さんはそれを見送ったあとで、そっとノートを広げて中を見て、自分の胸をじっと眺める
|