530,000HIT記念品

「雪さんお願いね」「はい、雪に任せて下さい」

雪さんは笑顔で答える。

「雪さん…念のために聞いとくけど…」「大丈夫です。前のような失敗は二度としませんから」

「そうよね…何度も同じ失敗はしないわよね…」

苦笑いで雪さんを見る。

「何を話してるんだ?」「え!?」「それはですね…もご…」

慌てて雪さんの口を抑える。

「何でもないわよーあは、あははは…」

愛想笑いを浮かべながら、雪さんを引っ張って行く。



数日後…。

仕事から帰ってくると、家の中がやけににぎやかなことに気がつく。

いったい、何があるんだ?

玄関で考えていると、みなもがやって来る。

「お帰りなさい」「ただいま」「早く来て!」

みなもはそう言って俺の腕を引っ張る。そのまま、皆が居る所へ行く。

部屋に入るとそこには…。

「な、何だよ…これ!」「あ、お帰り。どう? 凄いでしょ?」

水月は嬉しそうに言う。

「たしかに…凄いけど…」「もっと凄い所があるんだよ」「え!?」「あそこ!」

みなもが指差した場所を見てみて驚く。

「な、何だよあれは…?」「御二人の御内裏様と御雛様で御座います」

真那さんが真面目な顔で言う。それを聞いていた純夏は武にいい寄る。

「タケルちゃん…私達も作ろう!」「おいおい…もうそんな歳じゃあ…」

「作るの!いい…!お願いします!」「かしこまりました」

結局、武は純夏に押し切られ感じで了承する。

あれ? 雪さんは何処に居るんだ?

キョロキョロと雪さんを探していると、みなもが俺の服を引っ張り、雪さんの部屋を指差す。

みなもの方を見てニッコリと笑い、頭をポンと叩いて雪さんの部屋へと向かう。

「雪さん…」「え、あ…!」

ドタドタ…。

いったい、中で何が行われてる事やら。

「どうかなされましたか?」「雪さんが居なかったからさ…」「そうですか…」

ん? 雪さんの部屋の中に小さなお雛様が。

「あ、駄目です!見てはいけません…」

雪さんは慌てて俺の目をふさぐ。その手をそっと優しく外して雪さんを見る。

「あれって、雪さんの手作り?」「はい…あまり出来がよくなくって…」「ふーん…」

部屋の中に入って眺める。

「これって、俺だよねー? それで、こっちが雪さんかー」「あまり見られると…雪は…」

「俺は上手だと思うよ」「え!?」「これなんか、俺にそっくりだろ?」

御内裏様を顔の横に持っていって笑う。今度は御雛様を取って雪の顔の横に持って行く。

「やっぱりそっくりだよ」「そんなにお褒め頂いて…雪は幸せです…」

雪さんは顔を真っ赤にしながら言う。

「あ、こんな所に居た」

水月の声に驚き、慌てて後ろに人形を隠す。

「ど、どうしたんだ?」「ご飯よ。何を隠してるの?」「べ、別に何でもないよ…」「は、はい…」

「そう、早く来てね」「判った。雪さん行こう」「はい…」

二人で部屋から出る


540,000HIT記念に続く

おまけ

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