470,000HIT記念品

「お帰り〜」「ただいま…」「ねえ、この前のお願いなんだけど…」「悪い、無理っぽい…」

そう言って、さっさと部屋へと入り、ベットに倒れこむ。

あ〜、疲れたー。そういえば、今日は節分か〜。たしか、先週の日曜日…。


「ねえ、今度の節分の時…」「嫌だ!」「何よ!まだ何も言ってないでしょ!」「聞かなくても判る!」

水月のふくれた顔を見ながら言う。

「どうせ、鬼をやってくれとでも、いうつもりだろ?」

水月は半歩後ろ下がる。どうやら、図星だったらしい。

「だいたい、なんで俺が。孝之も居るだろう?」「孝之は駄目なのよ」「どうして?」

「孝之は、スカテンの方を頼まれてるのよ」「俺より鬼に適任の奴が居るじゃないかー」「え? 誰?」

黙って水月を指差す。

「え! 私? そうね。私だったら適任かも知れないわねって言うわけないでしょう!」

水月に睨まれる。

「どうして、そう思ったのかしら? その訳を聞かせてもらいましょうか…!」

「やらせてもらいます」「宜しい!」


こんな感じで、無理やりやる事に決まったんだったな。だけど…何だか頭が重い。

「大丈夫?」

水月が心配そうに覗き込む。

「駄目かも…」「そう、薬でも飲む?」「ああ…」

ゆっくりと頷き、体を起こして座る。水月から体温計を受け取って脇に挟む。

「はい。お水と薬」「有難う…」

水月から水が入ったコップと薬を受け取って飲む。

「うーん…熱は無いみたいね」「そうか…」「でも、ゆっくりと寝た方が良いわね」

ベットに横になる。

「きっと、疲れが溜まってたのよ。最近、頑張ってたしね」「そうだな…」

水月は俺のそばに座り、そっと手を握る。

「今日の鬼は無理ね」「あはは…そうだな…」「あの〜。御粥をお持ちしましけど…」

「あ、有難う。そこに置いといて」「判りました。大丈夫ですか?」

雪さんが心配そうな顔をする。

「大丈夫だって。一日こうして寝れば、治るって…」「そうですか。何かありましたら、雪に言って下さい」

「ああ…そうするよ」「失礼します」

そう言って雪さんは部屋から出て行く。水月に御粥を食べさせてもらい、少し眠る。


「風邪ですか〜」「そうなのよ」

コーヒーをすする。

「水月先輩も大変ですね」「そんな事は、全然無いわよ。好きな人だから…」「大好きな人ですね」

「ま、まあね…」

顔を赤くしながら、コーヒーをすする。

「やっぱり、疲れでしょうかねー?」「そうだと思うわよ」「休みなしで働いてましたからね」

「そうなのよ。だから、今はそっとしといてあげましょ」「判りました」


ゆっくりと目を開けると、水月が俺の手を握ったまま眠っていた。

それを見てフッと笑い、そっと毛布をかけてあげて、また目を閉じる。


480,000HIT記念に続く

おまけ

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