440,000HIT記念品

「起きて下さい! 水月先輩はもう行きましたよ」

茜ちゃんの声で目を覚ます。

ん? 何で体が動かないんだ? 気のせいだな。そうに違いない!

また体を動かそうとするが、まったくと言っていいほど動かない。

何でだ? 何で体が動かないんだ?

ゆっくりと下のほうを見ると、何故か縛られていた。

「うわ〜!」「どうしたんですか?」「どうしたも、こうしたも無い!何だ、これは!」

「あ、それですか!」

茜ちゃんはニッコリと笑いながら頷く。

「それは水月先輩に頼まれたんです」「はあ…水月に?」「はい! 2時間位前のことです…」


「茜〜、居る?」「あ、はい。何ですか?」「茜に頼みたいことがあるのよー」「私に頼みたいことですか?」

「そう!これは…茜にしか出来ない事だから!」「私にしか…できないこと…」

思わず生唾を飲み込む。

「頼みたい事って言うのは…」「はい…」「まずは…はい、これ」

水月先輩からロープを渡される。

え、ロープ…? 何でこんな物…?

「それで、彼を縛って欲しいの!」「彼って…あ!もしかして…水月先輩」

ニヤっと笑いながら水月先輩を見ると、顔を赤くしながら否定する。

「だ、黙って彼を連れて来てくれれば良いのよ!」「ベットにですか?」「茜…あの世ってどんな所かしら?」

「わ、判りました。絶対に連れて行きます!」「お願いね」


「ってことがあったんです」「へー、そうなのか〜」「だから、黙って来て下さい!」「嫌だ!」

「どうしてですか?」「俺はこんな事をされなくても、行くつもりだったんだ!」「本当ですか?」

茜ちゃんは、ずいっと俺の前に顔をだす。

「あ、ああ…」「そうですか…」

茜ちゃんはホッと肩を撫で下ろす。ゆっくりと俺の方に歩いて来る。

「早く行かないと始まっちゃいますよ! 急ぎましょう!」

茜ちゃんはそう言って、縛られた俺を車へと連れて行く。

「頼むから〜、ほどいてくれ〜!」


結局、そのまま会場に連れて来られた。

「今日は勝つと思いますか?」「買ってもらわないと…体がもたん…」「あ、あははは…確かにそうですね」

「あのさ〜、これほどいてくれない?」「駄目です!逃げるつもりですね!だったら、絶対に…」

「誰も逃げたりしないって。この格好ってかなり恥ずかしいんだぞ!」

茜ちゃんは辺りを見渡し、顔を赤くしながらほどいてくれる。

「ふ〜、助かったー。何か買って来ようか?」「結構です! ここに持参した物がありますから!」

茜ちゃんの側に包みと水筒が置いてあった。

「そうなんだ…」「はい。何か食べますか? 全部、雪さんの手作りですよ」

そういえば、朝は何も食べてないからなー。

「じゃあ、少しだけ」「どうぞ…」

それから少して、大会が始まる。司会は、前回の人とまったく同じだった。

「ほふつき〜!ふぁいんがれ〜!」「飲み込んで言って下さい!」

ゴックン!

「水月〜!頑張れ〜!」

そして大会は始まる。水月は特訓の成果なのか、かなりの調子良くこなして行く。

「この調子なら、優勝もいただきだな」「それは…あまい考えてみたいですよ…」「え?」

茜ちゃんは黙って指さす。そこでは、この世の出来事だと信じがたい光景があった。

な、なんだ…アレは? 本当に人間か?

運ばれてくるカレーを次々に平らげて行く。もちろん、水月が太刀打ち出るはずも無く…見事に負けた。

「あんなのが出てるんだったら、仕方が無いよな」「そ、そうですね。でも、人間なんでしょうかね?」

「たぶん…人間だろう」

茜ちゃんとそんな会話をしている時、またロープで縛られる。

「さ〜、帰って特訓のやり直しよう!」「頑張って下さい…」

茜ちゃんは、苦笑いを浮かべながら手を振る。

「と、特訓だと!今回はしても無駄だと…いやしない方…」「何をブツブツ言ってるの? 徹底的にやるわよ〜!」

「誰か〜…助けて…くれ〜」


450,000HIT記念に続く

おまけ

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