390,000HIT記念品 |
コーヒーを飲んで、伸びをする。 「今年は、いいよなー」「何が?」「今年は、大掃除しなくて良いもんなー」「そうね。雪さんがいるからね」 「そうそう…」「あ!」 水月は思い出したように立ち上がる。 「ど、どうした…」「大掃除する所があったのよー!」「え…どこ?」 水月はキョロキョロとする。雪さんを見てけて呼び寄せて、何やら耳うちをしている。 「それでしたら、雪がよく存じてます」「そう、良かった〜」 何を言ってるんだ? さっぱり判らん。 コーヒーをすする。 「じゃ、雪さん行きましょう」「はい」 2人は、俺の部屋に入って行く。 まさか…、アレを始末しに行ったんじゃ無いだろうなー。 慌てて、部屋に駆け込む。 部屋に入ると、永遠が珍しく机に向かっている。 何してるのかしら? トコトコと近づいて、そーと覗き込む。机の上にノートがひろげられていた。 あら、珍しいわね。勉強をしているのね。ん? 何よこれ。 そのノートには、どう見てもお年玉をもらえる人のリストが書いてあった。 何やってるのよ、まったく…。で、誰がどれだけ貰えると思ってるのかしら? 遙さん…壱萬、茜さん…壱萬、お母さん…五千円、お父さん…千円。 その時、永遠がこちらに気がついて、慌てて隠す。 「ま、真琴!何時から、そこに居たんだよ…」「さっきからよ」「嘘だ!」「何よ!疑うの!」 永遠の目は、疑いの目でこっちを見ている。 「そう、そんな目で見るの!だったら、こっちにも考えがあるわ」「考え…?」 永遠は、キョトンと私を見る。 「そう!このノートのことを言いつけるのよ!」 そう言って、部屋から出ようとした時、永遠が腰の辺りにしがみ付いて来る。 「頼む…このことは、内密に」「どうしようかな〜」「判った、何でも言うこと聞くから」 それを聞いて、ニヤリと笑う。 「今の言葉に偽りは無いでしょうねー」 永遠はウンウンと頷く。 「仕方が無いわね。でも、今のことを忘れないでね」 テレビを見ている俺の膝の上で、みなもが気持ち良さそうに眠っている。 俺の隣に座っている水月の膝の上に、永遠が寝ている。 しばらく、2人でテレビを見ていると、水月が俺に寄りかかって眠る。 それを見て、ふっと笑う。しばらくして、雪さんがやって来る。 「年越し…あ!すいませんでした」「良いよ。それより、この2人を部屋まで…」「はい、判りました」 雪さんは、2人を抱えあげて部屋に連れて行く。それを見送って、水月の方を見る。 まったく、可愛い寝顔だな。 『こちらに置いておきますね』『ありがよう』『それでは、失礼します』 雪さんは年越しそばを置いて、行ってしまう。 「おーい、水月〜そばだぞ〜」「ふえ…」 水月は、寝惚けた顔で辺りを見渡す。それを見て、すっとそばを指差す。 「さ、食べよう」「え、もうそんな時間なの?」「聞こえなのか? 除夜の鐘」 「ご、ごめんね。私ったら、寝ちゃったのね…」「そんなこと気にするなって。ほい」 水月に箸を差し出す。 「今年は、いろいろと有難うな…」「ううん、私の方こそ有難う…」 お互いに顔を赤くする。しばらく、そのまま黙り込む。 「た、食べましょうよ…」「そ、そうだな…」 いそいそとそばを食べ始める。 |
ー400,000HIT記念に続くー |