350,000HIT記念品 |
朝起きてみると、やけに外が騒がしいのに気が付く。窓を開けて外を見てみると、そこには舞と冥夜さんが居た。 いったい、こんな朝っぱらから何やってんだ? しばらく見ていると、後ろから肩を叩かれる。 「おはよう御座います」「あ!雪さん、おはよう。あれ、いったい何やってるだ?」 「アレですか? アレは、決闘ですよ」「け、決闘! だったら、止めないと!」「大丈夫ですよ」「え?」 雪さんはニッコリと微笑む。 「何で大丈夫なんですか?」「それはですね。御二人は、稽古をしいてるからです」 それを聞いて、あきれ果てる。雪さんはそれを見て、不思議そうな顔をする。 「そうなら、そうって早く言って下さいよ」「え! 言ってませんでしたか?」 だめだこりゃ…。 部屋で寛いでいると、恵が凄く嬉しそうに入ってくる。その手には、何かのチラシを持っていた。 「何だ、そんなに浮かれて?」「ふふふ…、これだよ」 恵は嬉しそうに、俺の前にチラシを差し出す。それを受け取り、見てみる。みなもと真琴も一緒に覗き込む。 「これがどうかしたのか?」「ここ!」 恵がとある場所を指差す。そこには『芋んきつば』と書いてあった。 「ねー、このチラシって…」「今度ある、大食い大会のチラシだよねー」「まさか、出るのか?」 恵は自身満々で頷く。 「でも、これだと。遙さんも出るんじゃない?」「まさか〜」 ドア近くの壁に寄りかかる。 「この事、知らないかもな。こんな事で、親子対決するか?」「ママが出て来ても絶対に負けないもん!」 その時ドアが開き、見事に挟まれる。 「恵!勝負よ!」「絶対に負けないもん!」 遙さんと恵は火花を散らし、燃え上がる。一気に部屋の気温が上昇する。 あの〜、ここは真夏ですか〜。 「ねー、これ知ってる?」 水月が一枚のチラシを俺の前に差し出す。 「これがどうかしたのか?」「ここを見てよ」 水月が指差した先を見てみると『世界の珍しい料理屋台多数出展!』と書いてあった。 まさか、これに行きたいと。 「もしかして、判った?」「行きたいんだろ?」「さすが〜、話が速いわね」「いいぞ、行こうぜ」 「本当!」「ああ…」 水月は、嬉しそうに飛び跳ねる。 「とりあえず言っとくが、一銭も出さないぞ!」「えー!ブー…ブー…」 だ〜も〜! 「判ったよ!出してやるよ!」「本当?」 水月は目を輝かせながら、俺の顔をジーと見てくる。 「嘘だ!」 それを言った後、そっと手を見る。その手には、白い物が握られていた。 「何か言ったかしら?」「いえ、何も…」「そうよね…。これ、楽しみにしていいんだよね?」 水月の問い掛けに大きくウンウンと頷く。後ろを向き、財布の中身を確認する。 これで…大丈夫だろうか…。 |
ー360,000HIT記念に続くー |