340,000HIT記念品 |
「おはよう御座います。朝ですよ」「うーん…あと五分だけ…」「仕方が無いですね」 チュッ! 「どわ〜!」「おはよう御座います」「おはよう…じゃなくて、これはちょっと…」「お嫌でしたか?」 それを聞いて、首を大きく横に振る。 「断じて、そんなことは無い!」「そうですか。これからは、雪が起こして差し上げますね」「ゆ〜き〜さ〜ん!」 雪さんは小さく飛び上がる。雪さんの後ろに、どす黒いオーラを出した水月が立っていた。 水月は、雪さんの襟を掴んでそのまま部屋から出て行く。 「雪は、はしたないメイドでした。許して…」 何だか、物凄いことになりそうだなー。あ!でも、雪さんに毎朝起こしてもらえるんだったら、それもいいかも。 思わず顔がほころぶ。その時、頭に何かが追突し、その場に倒れこむ。 あいてて…何だ、いったい? 後ろ頭を抑えながら立ち上がる時に、足元に転がるソフトボールが目に入る。 水月は、その辺に居ないはず。いったい、何処から? 「よろしくね!」「どうして俺が…」「やってくれるわよね〜。雪掻きと雪下ろし!」 水月の何時にもまして、強力な威圧が俺に重くのしかかる。 「は、はい…」「よろしくね!」 水月はそれだけ言うと、スタスタと何処かに行ってしまう。 仕方が無い、やるか〜。 いそいそと屋根に登り、雪下ろしを始める。 珍しいよな〜。この辺でこれだけ積もるのって。 雪下ろしをしている時、ある物が目に入る。 ん? 誰かツリーに吊るされてる。まったく、どんなことやって吊るされたんだ? 目を凝らして見てみると、それは雪さんだった。 雪さん!何でまた、あんな所に! その時、朝の出来事が頭の中を過ぎる。 まさか!あの後、あそこに…。 そして、無いも見なかったことにして、いそいそと雪下ろしを続ける。 「ご苦労様」 水月は、コーヒーを出してくれる。それを受け取り飲み始める。 「雪さん…何処に行ったんだ?」「さ〜ね」 さ〜ねって、外に吊り下げたのは貴方でしょ。 コーヒーを飲んでいると、服が引っ張られる。見てみると、みなもがニコニコしながら、俺を見上げていた。 「一緒に、雪だるま作りたいの」「いいぞ。少し待ってろ」「うん!」 コーヒーを一気に飲み干し、みなもと一緒に外に出る。 「じゃ〜、みなもが顔の方を作るね」「俺は胴体だな」「うん!」 まず小さな玉を作り、それを転がす。そして、適度な大きさの雪球が出来上がる。 こんな物だろ!さて、みなもの方はっと。 みなもも、適度な大きさの雪球を転がしながら、こちらにやって来る。 「よし、のせるぞ」「うん!」 みなもの作った雪球を胴体の上に乗せる。 「後は、顔だな」「任せて!」「よし、任せた!」 そして、みなもは楽しそうに雪ダルの顔を作り始める。その間に、雪さんを降ろしてあげる。 「ご迷惑をお掛けしました」 雪さんは何度も頭を下げる。 「今回のことは、俺も無関係じゃないし…」「ですが…」「水月には、俺から言っとくから」 「出来たよ!」「どれどれ…ん?」 この顔…どこかで見たような? 「これは、水月様ですね」「うん!そうだよ」「へー、水月か〜。よく似てるな〜」「えへへへ…」 何で、怒った顔なのかは、まったくの謎である。 「準備はいいか?」「OKですよ〜!」「よし!みなも、絶対に勝つぞ!」「うん!」 今度は、恵ちゃんと真琴ちゃんのチームと俺とみなものチームに別れて、雪合戦をすることになったのだ。 「絶対に負けませんから〜!」「こっちだって、やる以上は負けんぞ!」「ヨーイ…スタート!」 お互いに、雪球を投げあう。こちらは、みなもが雪球担当で、俺が攻撃担当である。 向こうは言うまでも無く、真琴ちゃんが攻撃で、恵ちゃんが雪球担当だ。 しばらく続けるが、勝負がつかなかった。 くそ〜、思った以上にやるな〜。よし!この一球にすべてをかける! 近氏の一撃を真琴ちゃん目掛けて投げる。雪球は、真琴ちゃんの横を通りすぎる。 げ!外れた! 「あー、びっくりした〜。でも、当たらなければどうという事は無い!」 雪球は買い物に行こうとしていた、水月にHITする。 や、やべ〜…。 そーと、逃げようとする時に肩を掴まれる。 「今の玉は誰が投げたのかしら〜?」 3人は、まったく同時に俺を指差す。 「ふーん、そうなの〜」「み、水月。これは事故なんだ…。話せば判る…」 水月は、ニッコリと微笑む。それを見てホッとする。 「はい!」「ありがとう。みなも」 ま、まさか…。 水月は、みなもから受け取った雪球を俺目掛けて投げつける。 「やっぱり〜、こうなるんですか〜!しかも、何ですか〜この硬さわ〜!うわ〜」 「待ちなさい〜!」「何だか、私達って」「蚊帳の外だね」「ねー中に入ろう」「そうだね」「うん!」 「もう、許して〜!」「これくらいで、許すもんですか〜!」「誰か〜助けて〜!」 |
ー350,000HIT記念に続くー |