330,000HIT記念品 |
「しかし…こんな大きいの、どうするんだ?」「申し訳ありません。雪のミスでした。どうお詫びたらよいのか…」 「いや、別にそこまで気にする事は無いと思うけど…」「それでは、雪の気すみません」 ふ〜と溜息をついて、目の前に聳え立つツリー用の木を見上げる。 「責任とって…自害させてもらいます!」「うわ〜!ちょ、ちょっと待った!」 「離して下さい、雪はこうしないと雪の気がすまないのです」「いいから、少し落ち着いて」 何とか、雪さんを落ち着かせる。木の側に歩いて行き、木を見上げながらポツリと呟く。 「これは…このまま、ここに置いておかないか? 窓から見えるツリーも結構、乙な物だと思うし」 言い終わると同時に、雪さんは俺に抱きついて来くる。 「うわ〜!」「雪がした事を許してくれのですか?」「許すも何も、立派に仕事をしてくれたろ」 雪さんに向かって、微笑む。それを見た雪さんが俺の唇にキスをして来た。 「な、何だ…いきなり」「少し早いですが、雪からのクリスマスプレゼントです」 クリスマスプレゼントって…。そっと唇に指を添えて、顔を赤くする。 「それでは、雪は飾り付けをしますので」「手伝おうか?」「雪の仕事を取らないで下さい!」「あ、はい…」 何やら騒がしく、気になったのでそこに行ってみる。 「舞〜、いきますよ〜」「はちみつくまさん」 スパン!カラン…カラン… 「さすが舞ですね」「これくらい、昼飯前だから」「あははは…そうですね、もう少しでお昼ですね」 「タコさんウインナー」「お取り込み中の所を悪いけど、いったい何やってるんだ?」 「門松用の竹を切っていたんですよ」「まだ早いんじゃ?」「早いにこしたことは無い」「まーそうだが」 門松くらい、買って来ればいいと思うんだが。 「で、どれくらい作ったんだ?」「アレだけです」 佐祐理さんが指差した先に、山のように詰まれた竹があった。 「これだけあっても、使い道が無いだろうが〜!まったく、少しは考えてやってくれよな!」 「本当にすみませんでした…」 首に銀色に輝く物が当たる。 「佐祐理をいじめるな…」「あのな…これはいじめてる訳じゃ〜。佐祐理さんから何か言って下さい」 「舞〜、ありがとう。私とても怖かったの…」 ちょっと待て。この状況って、俺が悪者扱いになるぞ。だとすると…。 「私は、ケダモノを狩るものだから!」「やっぱり〜!」「お、俺がケダモノ!ちょっと待て〜!」 その後、永遠と逃げ続ける。 「ジャーン!どうかしら?」 水月は嬉しそうに、サンタの衣装を俺に見せてくる。読んでいた雑誌をパタン閉じる。 「良いんじゃないか…」「何よ!その言い方は!」「ん?もしかして『水月、すごく似合ってるよ!』とでも言って欲しかったのか?」 水月は小刻みに震えて、ソフトボールを取り出す。慌てて、水月の腕を掴み何とか回避する。 「あの…なんだ…」 顔を赤くしながら頬をポリポリとする。 「あんまりに可愛いから…つい、意地悪したくなったんだ」「え? それ、本当?」「嘘を言っても仕方が無いだろ」 水月は『嬉しい!』と言いながら抱きついてくる。突然の事だったので、そのまま倒れこむ。 しばらく見つめ合い、ゆっくりと顔を近づける。 「涼宮達も着るのか?」「当たり前でしょ」「ふ〜ん…そうなのか」 水月は茶色な物を俺に渡す。 「これ何だ?」「衣装よ!」「衣装…? おい、まさかこれって…」「そうよ!」「俺は着ないからな!」 「いいから、着てみなさいよ〜!」「嫌だ〜!」 結局、水月に無理やり着せらる。水月は、ポカーンと眺めている。 「笑いたければ、笑えよ!」「笑うなんてとんでもないわ。すごく、可愛いもの」 トナカイの衣装が似合う俺って…いったい。 「言っとくが、これを着るのはあの日だけだからな」「エー、そんな〜」「茜ちゃんみたいな言いかをするな!」 「ぶ〜!ぶ〜!」「何と言われようと、着ないものは絶対に着ない!」 水月は思い出したように手を打つ。 「そう言えば、雪さんは?」「雪さん!」「どうしたの? そんなに驚いて?」「いや…なんでもない…」 「何か隠してるわね!」「べ、別に何も…」 顔を赤くしながら顔をそらす。水月は、俺の顔をぐいっと、自分の方に向ける。 「うぎゃ…」「ねー…」「はい、何でしょうか?」「雪さん何処に居るの?」「外で飾り付けやってるぞ」 「ふ〜ん…」 水月はすごい勢いで部屋から出て行く。 「ちょっと待て〜…」 その後、何が起きたかは皆さんの想像にお任せします。 |
ー340,000HIT記念に続くー |