230,000HIT記念品 |
「行きましょうか?」「そうだな」 茜ちゃんと一緒に家から出ようとした時、水月に呼び止められる。 なんだろうと思って振り返ると、水月と子供達がそこに居た。 まさか…こいつらも連れて行けってか。 予想は見事に的中する。 「でも、茜ちゃんの車だと乗れないだろう?」「それなら大丈夫よ!」「え?」 水月は黙って外に出て、あるところを指差す。そこには、ワゴン車が止まっていた。 いったい、どこから持って来たんだ? 黙って車を指差すと、水月はにっこりと笑いながら『これで行けるでしょ』と言う。 気が付くと、子供達はもう乗り込んでいた。そのまま、子供達と一緒に病院へと向かった。 行ってらっしゃいー! さて、私は帰って準備しなくちゃった。 家に帰り、とある図面をテーブルの上に広げる。 「これが設計図かー」「なんだか、大掛かりだね」「これから、役割分担を決めるわよ!」 役割分担を決めて作業を始めると、雪さんが起きてきた。 「何かあるんですか?」「あ、雪さん。まだ寝てないと…」「もう、大丈夫です」 「はん!そんな体でうろうろされた、こっちが迷惑なのさ!」 私は孝之に合図を送ると、孝之は小さく頷き大空寺抱えあげて、ある場所へと向かう。 これで、うるさいのは居なくなったわね。このまま、寝ててなんて言って、そうですかって寝る人じゃないだろうし 「ねー、雪さん?」「はい、何でしょうか?」 雪さんに図面を渡して、邪魔にならないところに座らせる。 「これ見ながら、いろいろと指示を出してほしいの。いい?」「はい、判りました」 これだったら、病み上がりの雪さんでもできるわね。 「よろしくね」「はい、判りました」 私は遙が居る台所へと向かった。 車から降りて、病院の中に入る。もちろん、子供達に騒がないように厳重に注意はしてある。 中に入ると、天川さんが走って来て『先生が医局に来て下さいって言ってました』 天川さんはそれだけ言うと、またどこかへ行ってしまった。 ふと、茜ちゃんが不思議そうな顔をしていることに気が付く。 「どうしたの?」「今、誰と話してたんですか?」「え? 誰って、天川さんとだよ」 「え!」 茜ちゃんのすごく驚いた顔を見て、首をかしげる。 俺、何かおかしなこと言ったかな〜? あれ?子供達はどこに言った? あたりを見渡しが、そこには子供達の姿はなかった。 「それはこちらへ。はい、そうです」「これは、どこに持って行ったらいいんだ?」 「それは、あそこにお願いします」 やっぱり、うまくやってるみたいね。さて、ケーキを作り直さないとね 「水月…ごめんね…」「いいわよ、また作ればいいんだから」 遙はしゅんとしている。そんな遙の頭をポンと叩き 「さ、始めるわよ」「うん!」 二人でケーキを作り始める。 おっと、いかんいかん…。思わず寝むっちまったみたいだなー。 立ち上がって、冷凍庫の方を見る。冷凍庫は、恐ろしいように静まり返っていた。 もちろん、この冷凍庫のドアには『大空寺あゆ お仕置き部屋』と紙が張られている。 ちらりと腕時計を見ていると、二時間もたっていた。 嘘だろ!このままだと、俺は殺人罪で捕まるぞ!いや待てよ…中にいるのは、大空寺だ。 そう簡単に、死ぬような奴じゃないよなー。でも、もしもってことがある。 そっとドアを開ける。すると、中で大空寺が倒れていた。それを見て、慌てて駆け寄る。 大空寺の側まできた時に、大空寺はいきなり起き上がり、出口に向かって走り出した。 あ!あのやろー、騙しやがったな〜! 慌てて、追いかけたがもう遅かった。ドアはバタンと音を立てながらしまった。 「だせー!こらー!」「ふふふふふ……。そこで、しばらく自分の無能さを思い知りなさい」 「なんだとー!」「私は行くから。それじゃ」「待てこら!」 「こんなものかしら?」「やっぱり、水月って調理上だね」「そんなことないわよ」 「ううん、私より上手いよ〜」「そうかなー?」 苦笑いしながら、遙が作った黒い物体を見る。 確かにね、これじゃーね。 「さー、あと一分張りよ!」「うん!」 残りの料理を作り始める。 |
ー240,000HIT記念に続くー |