夢 |
横目で、机の上でへたれ込んだまま眠る孝之を見る。 まったくどんな夢を見てやがるんだ? 孝之は寝言で『はるか〜…はるか〜…』と呟いている。 こんな馬鹿は放っておこう。俺は、勉強しないとな。 まじめにノートを取り始めた時、頭に物凄い衝撃をうける わー、綺麗な花畑だなー。あれ? あそこに誰かが居るな〜。誰だろう? 「……ょうぶ」「…じょうぶ」「しっかりしてよ!」 ゆっくりと声のした方を見てみると、心配そうな顔で速瀬がこっちを見ていた。 周りを見渡しが居るのは、眠っている孝之と速瀬と俺だけだった。 「ごめんね。さっきの孝之を狙ったんだけど…」「いいよ。別に、死にかけたわけじゃないし」 いや待てよ、本当に死にかけたのかも…。 「あ、水月〜」「遙ー。掃除当番終わったの?」「うん、孝之君は?」 速瀬は黙って、寝ている孝之のところに行って、椅子を蹴飛ばす。 「いた!何すんだー、人が気持ちよく寝てるのに!」「それは悪かったわね。でも、遙が来てるのわよ」 速瀬は、入り口のところで待って居る、涼宮を指差す。孝之は涼宮に気がついて、大慌てで涼宮のところに行った 「まったく、世話が焼けるんだから」「本当にそうだな」「私達も帰りましょ」「そうんだな」 帰る道で、水月が俺にくっ付いてきた。 「うわ!なにすんるんだよ」「嫌だった?」 それを聞いて首を横に振る。水月は、それを見てクスと笑う。 「何、恥ずかしがってるのよ。何か変よ。大丈夫?」「大丈夫じゃないかもな」 「もしかして、さっきのせい?」「さー、それはどうかなー?」 どうも、自分でもしっくりこないんだよな〜。 「もし、そうだったらごめんね…」「気にするなって、一時的なものだろうし。ほら帰るぞ」「うん!」 水月はさらに自分の体を、俺の方に寄せてきた。 うわー、水月の胸の感触が〜。気持ちが、ええ〜! ゆっくりと目を開けると、見慣れた天井があった。 何だ〜、夢だったのか〜。そうだよな、あの時に俺と水月が、付き合ってるわけ無いもんな 横を見ると、水月が気持ちよさうに寝息をたてている。 時計を見ると、まだ早かったので、もう一度眠ることにする。 水月の寝顔を見ながら、ゆっくりと目を閉じた |
ーENDー |