200,000HIT記念品
テーブルの上に、芋きんつばが入った小瓶が一つ。芋きんつばを持って取り出そうとすると、手がつっかえて取り出せない

まー、ありきたりの仕掛けである。この仕掛けを考えたのは永遠だ。

「ねー、こんなので上手くいくの?」「大丈夫だって、絶対に成功するって!」「この前は失敗したけどね…」

真琴は呆れ顔で永遠の方を見る。永遠は反論できるはずも無く、ただ黙っている。

しばらくして、ターゲットが現れる。二人は慌ててソファーの影に隠れ、そっと様子を伺う。

もちろん、ターゲットは恵である。しばらくして、恵がテーブルの上の芋きんつばに気がつく

あたりを見渡して、トコトコと近づいていって小瓶をじっと眺める。

『上手くいきそうねー』『だから、言ったろ〜』『まだ、成功した訳じゃないけどね』

そんなたわいも無い会話をしながら、二人はじっと戦況を見つづいると『ねー、何やってるの?』と後ろから声をかけられる

その声に驚いて小さく飛び上がる。その後ゆっくりと振り返ると、みなもが不思議そうな顔をしていた。

「だから、何やって…うー…うー…」

永遠と真琴は二人で、みなもの口を押さえる。

『大きな声で言うな!』『少しは場の空気をよんでよね!まったく』

そんなことをしている間に、小瓶が倒れる音がする。

「かかった!」

永遠はそう言って一番に、飛び出していく。真琴もその後に続くが、まだ状況が飲み込めてないみなもは、その場で座り込んでいる

「今回も失敗ね…」

真琴は冷ややかな目で永遠を見る

「だー!何で、こうなるんだよ〜!」

案の定と言うべきか、当然と言うべきだろうか、小瓶に手を入れてブンブンと振り回しているのは、遙だ。

肝心のターゲットのみなもは、側でその状況をじーっと見ている。みなもは、まだ頭に?をだしている。


「うん!今日は絶好の月見日よりだな」「一時はどうなることかと、思ったけどね」

肩の上の水月と一緒に空を見上げながら、そんな会話を交わしていると、後ろから雪さんが声をかけてきた

「用意が整いました」「雪さん、ありがとう」

雪さんは、軽くペコリとお辞儀をして行ってしまう。雪さんが用意してくれた場所に行き、月見を始める。

「綺麗ね…」「そうだな…」「こんな月を見たいのは、どれ位ぶりかしら」

俺の隣に水月、肩の上にも水月。頭が混乱しそうな状況で月見をしている。

団子を取ろうとする手だあることに気がつく。この手の主は永遠だ。

すると、水月がその手をガシ掴む。どうやら、水月も気がついていたらしい。

その後、永遠はズリズリと引っ張られながら消えて行き、しばらくして悲鳴が聞えてくる。

懲りない奴だなー。これで10回目だな。

そんなことを考えていると、雪さんが横に来て『ここ、よろしいですか?』と聞かれ、別に断る理由も無いので頷く

雪さんはにっこりと微笑み、横に座り一緒に月を見る。

「平和だな」「はい、そうですね」

雪さんはにっこりと微笑む。もちろん、監視役の肩の上の水月が黙っているはずも無く、頬を引っ張られる

この時、外であのようなことが起きているなんて、知るよしもなかった。


「もう、終わりですか? 最初の勢いはどこにったのかしら?」「この人…すごく強い…」

「最近は子は、だらしが無いのねー。私は片手しか使ってないんですよ」「く…一生の不覚…」

「そろそろ、終わりにしましょうか。まずは、あなたから」

マナマナは冥夜の方を見る。

「大丈夫ですよ、殺しはしませんから。一生を病院で暮らしてもらう事になるだけですから」

冥夜は、覚悟を決めたかのように目を閉じる。マナマナはニヤリと笑って、冥夜にとどめの一撃をいれようとした時、目の前で手を止める。

冥夜がゆっくりと目を開けると、マナマナの首もとに小刀があった。

「冥夜様、大丈夫ですか?」「月詠…」「鏡様、冥夜様を連れてお逃げ下さい!」

鏡は黙って頷き、ボロボロの体で立ち上がり冥夜の所に行き、冥夜を連れて家へと向かう

「あなたが噂に聞いた、月詠さんですか」

マナマナは不適な笑みを浮かべる。

突然、戎と神代と巴の3人が現れて、隠れている武の所に走って行ってそのまま武を、何処かに連れて行く。

マナマナは、一瞬の隙をついて振りほどく。

「久しぶりに、本気で相手してもいい人に出会えましたね」「手加減などしていますと、死にますよ」

「それは、こちらの台詞ですよ」

しばらくそのまま、二人ともぴくりとも動かず、ただ睨み合っている。

鏡は、やっとの思いで家の前にたど着いて、ドアを開けて中に入りそのまま倒れこむ。



「さすがにやりますね」「そちらこそ。タケルちゃんをどこに連れて行ったかは、知りませんが無駄ですよ」

「無駄?」「タケルちゃんには、私しか居ないんですから。どこに連れて行こうが、私のところに戻ってきてくれるわ」

マナマナは自身満々でそう言い放つ。それを聞いた真那は不適に笑う。

「やはり、あなたは倒しておかないといけないみたいですね」

二人は同時に飛び上がる。

210,000HIT記念に続く

おまけ

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