170,000HIT記念品 |
起きて、HAND_MAD達に挨拶をして部屋から出ると、雪さんにばったりと出会った 「あ、おはよう」「おはようございます。ご主人様」 え!ご主人様…?いいなー…その響きが、萌え〜!ですなー 頭をぶんぶんとふる。雪さんはその光景を見て、不思議そうな顔で首を傾げる。 「どうしたんだ…? いきなり?」「やっぱり、嫌でしたか?」 首と手をぶんぶんと大きく振る。 「そ、そんなことはないけど…」 頬をぽりぽりとかき、顔を紅くしながら言う 「いつもの呼び方でいいよ…」「そうですか? 判りました」 でも、いきなりこんなこと言い出すなんて、おかしいぞ…。もしや!真那さんが…それは絶対にないな… だとすると…冥夜さんか? それは、絶対に違うだろう…。残るは、あの三馬鹿かー…間違えなくこいつらだな 「あのー…。冥夜さまから、こちらをお預かりしております」 雪さんが差し出したメモを受け取り、目をお通す。 『急用ができまして、しばらく留守にします。その間のことはすべて雪に任せてありますので、何なりと御申し付けください』 この文章から察するに、真那さんが書いたものだな。 「私はこれで…」 雪さんは軽くお辞儀をして、仕事に戻っていく。 さて、今日の朝食は何かなー? な、何だ〜…。 部屋に入ると、世界各国の料理のバイキング形式になっていた。 まー、雪さん一人でもこれなら何とか、なるかもしれないけど 「……すごいね」 気がつくと肩に慧が居た。慧が指差した先では鏡さんが『も〜!タケルちゃんなんて知らないんだから!』と言いながら、やけ食いをしている 「……あっちも」 『これも美味しそうねー。あ!こっちも!』そう言いながら、水月が料理を取っている。 ありゃ〜…後で大変なことになるぞ…。 やっぱり…こうなるよなー ため息を付ながら、ベットで『うーん…うーん…』と唸る二人を眺める。 「あれだけ食べれば、そうなって当然だな。少しは考えて食べろよな〜」 二人はしゅんと小さくなる。 「白銀が帰ってこないからって、やけ食いは良くないぞ」「だって、全部!タケルちゃんが悪いんだから!」 白銀が、いったい何をしたって言うんだ…? 深く考えないことにしよう。 ドアがノックされ、雪さんが顔を覗かせる。 「薬はありましたか?」「ありませんでした…」 雪さんは軽く下を向く。 「俺が買ってきますよ。どうせ暇でしたし」「そうですか? よろしくお願いします」「任せてください!」 もし、冥夜さんが居たら『ならば、医者を用意させよう!すぐに直るであろう!』とか言って、世界の名医でも引っ張ってくるだろうなー。 玄関に行き、靴を穿いていると誰かに上着を引っ張られる。振り返ると、みなもと恵ちゃんがたっていた。 「何処かに行くんですか?」「ああ、買い物だ」「一緒に行ったら駄目?」 少し考え、二人の頭をポンと叩いた後で、にっこりと微笑む。 「いいぞ。その代わり、ちゃんと許可を取ってこいよ」「それなら」「心配は要らないよ!」 え!心配は要らない? 二人は、俺の前に遙と水月を差しだして、にっこりと笑う。 保護者なのかよく判らないが、二人が同伴ってことで許可がおりたらしい。 薬局に向かう途中で、恵ちゃんがぴたっと立ち止まる。 「どうしたんだ?」 恵ちゃんはすっと、ある旗の方を指差す。その旗には『世界が認めた、芋きんつばを売る店』と書かれていた その向かいにも同じように『世界一!美味しい芋きんつば』と書かれた旗が立っている。 なんだかなー…。どっちも、同じだと思うが…。 「これは絶対に買いだよー!」「これは強襲だよ!」「買って…帰るか?」 恵ちゃんと涼宮は大きく頷く。芋きんつばを買ってやると、恵ちゃんは嬉しそうに抱きかかえる。 両方とも、買わなくてもいいと思うが…。しかも、10個も…。 薬局で薬を買って帰る時に、恵ちゃんと遙が芋きんつばをじっと見ながら歩いてることに気がつく 「別に、食べてもいいんだぞ」 二人はえ!と顔を上げて、じっと俺の方を見詰ているのでもう一度 「だから、食べてもいいぞ。でも、それで夕飯が食べれなくなっても…」 二人はすでに俺の言葉など、耳に入ってないかった。 これは、帰りにはなくなるぞ…。涼宮がこのこと知ったらきっと 『そんなのひどいよー。どうして、持って帰ってきてくれなかったのー!』って泣きながら言いそうだな いや、確実に言うな!仕方がない、確か帰り道にあったよなー? かって帰るか〜 案の定、帰り着くまでに芋きんつばは無くなった。俺が買ったもの以外…。 ふと、時計を見ると9時をさしていた。 「ほら、もう寝る時間だぞ!」「え〜!まだいいでしょ〜!」「駄目だ!子供は、早寝早起きが基本だ!」 子供達はブーブー言いながら部屋に入って行く。 俺は自室で、本でも読むか〜 寝室に向かう時に、ベランダに誰かが居ることに気がつく。 誰だ? あの雪だるま柄のパジャマは…雪さんか? そっとベランダに出ると、雪さんは驚いた顔でこっちを見る。ゆっくりと、星空を見上げる。 今日は珍しく、星が綺麗に見えている。 「星…綺麗だな」「…はい」「仕事…大変だろう?」「…いえ、これが私の仕事ですから」 またしばらく、二人で星空を眺める。いきなり、雪さんが俺の胸に頭を傾けてきた。 そんな雪さんをそっと引き寄せると、雪さんは顔を紅くして照れてる 「こうしてると、すごく落ち着きます」「そうか〜」「はい…しばらく、このままで居させて下さい」 黙って頷くと、雪さんは嬉しそうな顔をする。 「今日は、本当にすみませんでした」「俺にできることなら、何でも言ってくれよな」「はい…」 雪さんはぽっと紅くなるして、軽くお辞儀を急いで部屋に入って行く。 それを見送って、寝室に入る。 ふふふ…。孝之ちゃんは遠くに行っちゃったけど、もうそんなことはどうでもいいわ 気持ち良さそうに眠る白銀を見下ろす。 「ずっと、一緒に居ましょうね…タケルちゃん」 ニヤリと笑う。その手には、ロープが握られていた。 |
ー180,000HIT記念に続くー |