160,000HIT記念品 |
「二人のこと、よろしくね」「ああ、任せとけ!」 涼宮からHAND_MAD遙と孝之を受け取る。遙の方はすぐに俺の肩に乗って来る。 だが、孝之は俺の手から降りて茜ちゃんの所に走っていく。 何で、側に居る水月のところに行かないんだ?まさか…怖いのか? 「いってきます」「ゆっくりと楽しんでいらっしゃい」「はん!どうせ…うー!うー!」 変なことを言いそうな大空寺の口を押さえる。涼宮はその光景を見て、首を軽く傾げる 「早く行かないと、孝之が待ってるわよ」「うん、いってきます」 軽く手振りながら送り出した後、水月は孝之の所に行き何やらどなっている。 そう言えば、みなも達はまだ帰ってないのか〜。仕方がない、迎えに行ってやるか。 「どこに行くの?」「みなも達の迎えに行くんだ」「そうね。まったく、こんな時間まで何やってるのかしら」 家から出ると、肩にHAND_MAD茜が乗っていた。 「何で、そんな所に居るんだ?」「茜さんに頼まれたんです。叱って来てくれって」 「そうなの…」「私もびしっと、言ってやるわよ!」「私は…」 本人達と一緒の時と、きっと一緒だな…。 「こんなので、捕まるの?」「大丈夫だ!絶対に捕まるって、俺を信じろ!」 永遠と真琴は木陰に隠れ、様子を伺っている。 永遠が握ってるロープの先には、かごを斜めにして、その隙間に棒を立てて、その棒に紐で縛り後は、 餌を置いて、物陰に隠れるだけといった、シンプル罠がある。餌は芋きんつばだ。 「こんなことやったら、かくれんぼじゃないと思うけど!」「捕まえればいいんだよ!捕まえれば!」 真琴は大きなため息をつき、あきれた顔でやれやれと首を横に振る。 しばらくそのまま、待っていたが一向にかかる気配がない。 「ね〜やっぱり、駄目だよー」「うるさい!少し黙ってろ!」「あ!何か入ったよ!」 永遠はそれを聞いてロープを引っ張る。罠が成功して嬉しくて飛び跳ねる その時、側に恵が居ることに気がつく。 「何でこんな所に居るんだよー」「二人が楽しそうに、ここに居たから…」「じゃー、誰が捕まったの?」 かごの所に走って行き、三人は絶句する。 「あの公園です」「へー、この公園で遊んでるのかー」「よく知ってるんだね」 公園に入ると、三人がかごの前に集まっているのが目に入る。 いったい、何やってるんだ…?あれ、あそこに居るのはみなもか? みなもが木の陰に隠れている。そんなみなもに近づき、肩をちょんちょんと突っつく。 みなもは『うにゃ!』といいながら小さく飛び上がり、ゆっくりとこっちを向き、ほっと一息つく。 「何やってたの?」「かくれんぼ!」「でも、真琴とかあそこに集まってるよ」 遙は、真琴ちゃん達が居る方指差すと、みなもはゆっくりとそっちを見て、『あ〜!』といいながら慌てて走って行く。 まさか、気がついてなかったのか…? 子供達が居る所に行くと、かごの中に小さくなってもがいている涼宮が居た。 面白いので、しばらく見ていることにすした。 「うー…見てないで、助けてよー」 涼宮は半べそをかきながら言う。その口には、芋きんつばがついていた。 まさか!芋きんつばにつられて…これにかかったのか? 「ねー、助けてあげた方がいいんじゃない?」「そうですよー、助けましょう!」「お願い…」 涼宮を助けてやると、ぺこりと軽くお辞儀をしたあと、走って公園の外へと消えて行く。 「もう遅いから帰るぞ!」 子供達は『はい〜!』と元気よく答える。帰ろうとした時に涼宮が走って戻ってくる。 「うー…どうしよ〜…」 汚れたれ服を軽く見た後、俺の方をじっと見てくる。 「仕方がないわね。あんな小さなかごの中に居たんだから」 「とりあえず、帰って着替えた方がいいわね」「私もそう思うよ」 「でも、今から帰ってたら、絶対に間に合いませんね」「え〜、どうしよ〜…」 「孝之には、俺か連絡しとくから。急いで帰って着替えてこいよ」 涼宮は小さく頷き、走って公園から出て行く。携帯を取り出して、孝之に電話をする。 「今日は、そんな日だったんですか!」「それはめでたいな。早速準備をさせよう」 どこともなく真名さんが現れ、てきぱきと指示をだす。 「覚えてますかねー?」「覚えてなかったら、外に吊るしてあげるわ!」 茜は水月の顔を見て、『うわー本気だ〜』と小さく呟く。 「それにしても、手際がいいですね」「それが私どもの仕事ですから」 「仕事ねー…、人の家をかってに改装することがねー…」 水月は引きつった笑顔で、その光景眺める。 「ただいま〜」「たっだいま〜!」「ただいま」「お帰りなさいませ」 「いったい、何やってるの?」「パーティの準備でございます」 「パー…ティ…?」「何かのお祝いなの?」「それは、私の口からは…」 いったい、何の日だ…?誰かの誕生日か…。いや違うなー。 そんなことを考えていると、肩の上の水月のジトーと重い視線に気がつく。 まさか、今日って… その時、涼宮が部屋から慌てて出てくる。その涼宮を呼び止める 「孝之が家で待ててくれって」「そうなの?」「これは本当よ!」 なんだよー、その言い方は…。まるっきり、俺が嘘ばっかり言ってみたいじゃないか! 「今日が何の日か当然、覚えてますよねー?」「そうね、覚えてないってことはないわよねー?」 「退院決定記念日…?」 遙の発言に二人は同時に『違う!』と反論する。遙はしゅんと小さくなり、涼宮の肩に乗りいじける。 そんな遙を孝之がやさしく慰めている。目の前を雪さんが通り過ぎようとしたので、すかさず聞いてみる。 「あ、雪さん。今日が何の日か知ってますか?」「え、それは…私の口からは…」 雪さんは申し訳なさそうな顔しながら、その場を去って行った。 「さ〜、正直に答えてもらいましょうか〜!」「そうです!答えてください!」 「今日は…」「今日は?」「何の日ですか?」 二人はなりは小さいが、圧力は数十倍はあるように感じられた。 「だー!覚えてるよー、それくらい!」「何の日か、早速言って貰いましょうか〜!」 声のした方を見てみると、水月がニコニコしながら立っていた。 「さ〜、今日は何の日?」「何の日かさっさと言う!」 二人の水月の圧力が重くのしかかる…。 「ば、馬鹿こんなに人が居る所で、言えるか〜!」 水月はざっと見渡して『それもそうね』といい、寝室に引っ張っていき ドアに『入室禁止!覗いたら張り倒す!』と書かれたプレートをドアノブにかけて閉める。 「さ〜!ここなら、誰にも気兼ね無しに話せるわね!」「観念して、正直に言った方がいいですよ」 肩の上の茜はすごく楽しそうに乗っている。HAND_MADE水月は、水月の肩の上からじっとこっちをにらんでいる。 茜をぴょいと持ち上げて、ドアの外にちょこんと座らせる。ドアを閉める時に、何やら騒いでいたが無視して閉めた。 ふー、これで本当に4人きりだな。 視線を戻すと、二人はじーとこっちを見ていた。その視線は、『早く言え』と言っていた。 スーと大きく息を吸って、吐く。 「今日は、俺たちの…結婚記念日だろ」 二人の水月はポカーンと俺の顔を見ていたが、しばらくして我にかえる。 「こんな大事な日を、忘れるわけないだろ」「そうよね…忘れるわけないわよね」 水月は涙目になりながらいう。そんな水月をやさしく抱きしめてやる。 もちろん、肩の上でも同じことが行われている。お互いの顔を少しずつ、近づける。 お互いの唇が触れるかという時に、ドアがノックされ、驚いて慌てて離れる。 「うわー」「すごいねー」 よくこれだけ物を、短時間で作りあげたもんだな〜! 家の一室が何処かのホールのように、改装されていた。 「お二方、どうぞこちらに…」 マ…真名さんに連れられて、そのまま舞台に上がる。水月は俺のことを軽くびじで突っつく。 『ね〜、これから何がるの?』『俺も何にも聞いてないぞ!』 そんなことを小声で言っていると、真名さんがマイクの所に立って、便箋をひろげて読み始める。 内容は俺たちの結婚記念日についてのことだった。 その後、乾杯をして。盛大に盛り上がった。 その頃、白銀は山から何とか降りて、一人の女性に家に保護されていた。 「どうも、すいません…」「いいえ〜、いいんですよー。でも、大変でしたね」 「は〜、そうなんです」「今から、何かおつくりしますね」 「そんなに気を使って貰わなくても…」「お腹すいて、ないんですか?」 その時、白銀のお腹がグーと鳴り、苦笑いをしながら頭をかく。 その女性はにっこりと微笑んで、食事の支度を始める。調理をしているその顔は、不適に微笑み側には、小さな瓶が置いてある。 |
ー170,000HIT記念に続くー |