130,000HIT記念品
「朝ですよ。早く起きてください!」

今日は珍しく、茜ちゃんに起こされる。

「もう10分…」「だめです!起きてください!」

「判ったよ…起きるよ…」

眠い目をこすりながら部屋から出て、台所に行って茜ちゃんに朝の挨拶をしてコーヒーを飲む。

しばらくして、涼宮が朝食を持ってくる。

あれ?今日の当番は水月のはずだよなー…?

「なー、今日の当番は水月だよな〜?」「そうよ!だからやってるじゃない!」

「え!…涼宮…どこかに頭ぶつけた?」「ぶつけてないわよ。どうしたの?いきなり変こと聞いて〜」

「そうでよー、まだ寝ぼけてるんですか?」「え!」

「大丈夫だと思うよ。さっきコーヒー飲んでたから」「え〜!」

驚きのあまり椅子から転げ落ちた。

「ちょっと、大丈夫?」「何がどうなってるんだ…?」

三人から説明されるが、いまいち納得いかない。

「ここでいったん整理しよー!涼宮が水月で、水月が茜ちゃんで、茜ちゃんが涼宮ってことか?」

「うん!」「そうよ!」「はい!」

小人、動物、今度は入れ替わり…。は〜…どうなってるんだか…

まさか、子供達はなってないよな〜…?

恐る恐る聞いてみると、別にいつもと変わらなかった。

ふー…。入れ替わったのは水月達だけみたいだな。

「なー、前から聞きたかったんだけどさ〜…」「なんですか?」

「どうして、そんなに落ち着いてるんだ?」「え!騒いでも、どうにもならないでしょ?」

「まーな…あと一つ!」「なに?」

「二人はいったいどこで寝てるんだ?」「私たちのことですか?」

茜ちゃんと涼宮は不思議そうな顔をする。

「そうだ!」「部屋に決まってるじゃないですか〜!」

ま〜それもそうかー…待てよ、この家にそんなに部屋があったか?

立ち上がり家の中を見て歩きながら、部屋の数を数える。

増えてる…こんなことがあっていいのか?

「どうしたの?」「部屋の数が…増えてる…!」

「それはそうよ!」「え?」

「だって、この家は住む人が増えると、部屋が増えるのよ!」

水月はあっさりと言う。

「○瀬秋○家じゃないんだから、そんなことないだろう?」「でも、増えてるのよ。これは事実よ!」

それはそうだな…。今まで気が付かなかった…。だとしたら、水月が来た時も増えたのか?

まさか、家の大きさまで変わってるんじゃー!

急いで外に出て確かめたが、変わっていなかった。

ほっと一息ついていると、孝之がこっちにきているのに気が付いた。

「よー!元気だったか?」「元気でないとここに居ないだろ!」

「それもそうだな…」「って何でその二人までいっしょに居るんだよ!」

「まー…いろいろとあってな…」

何がいろいろだよ…。お前が居ない間に何があったか知らないくせによ〜。

「お久しぶりです〜…」「はん!こんな奴に挨拶なんてしなくていいわよ!」

ん?もしかして…この二人もなのか…

ゆっくりと孝之の方を見ると、孝之もまさかといった顔をする。その後、二人を連れて中に入る。

涼宮は孝之が入って来るなり、抱きついく。もちろん、外見は茜ちゃんだから変な感じがする。

今の状況を孝之に説明すると、孝之は水月をじーっと見ている。

「よかったな、水月!」「何がよ?」

「これで、筋肉馬鹿って言われなくてすむな!」

あ〜あ〜…。言っちゃったよ…まったく懲りないねー

「誰が、筋肉馬鹿ですって〜!」「うわ!冗談だって…ちょっとまて、遙の体で…」

水月にその言葉は耳に入ってようだった。

「あー!私の体で〜…」

涼宮は涙目でその光景を見てると、茜ちゃんが肩に手を置きながら言う。

「お姉ちゃん…仕方がないわよ、お兄ちゃんが悪いんだから」「う〜……」

「ふん!あんな馬鹿ほっとけばいいのよ!」「あのー…これ、お土産です」

「あ、ありがとう…」「まったく、こんな小汚いところによく住んでるわねー!」

くそー!玉野さんの体じゃなかったら…。元に戻った時はどうしてくれよ〜…!

「わー!美味しそう〜」「どれどれ…お!本当だ〜なー」

「お茶を入れてきますね」

皆でお土産に舌鼓をうっていると、ボロ雑巾のようになった孝之を引っ張って戻ってくる。

なぜか孝之の顔は笑っていた。

おいおい…笑ってるぞ、大丈夫なのか?

「水月〜…ひどいよ〜…。私の体なんだよー」「あ!ごめん、いつもの癖で…」「う〜…」

「玉野さん達は家に帰るんだろ?」「はい、そのつもりです」

でも、そのまま帰したら大変なことになりそうだなー…。

「ねー、泊まっていかない?明日になれば、元に戻ってるかもしれないし」

「お言葉にあまえさせてもらいます〜」「まゆまゆがそうするんなら、泊まってやるさ!」

「無理に泊まってもらわなくてもいいんだぞ!どうせ、帰る所もないんだろ〜!」

「あんですとー!」

水月に後ろからしばかれる。あまりの痛さに頭を抑える。

「まったく、馬鹿なこと言わないの!」「はい…」

これでまた、部屋が増えるんだろうなー…。まったく、ここは化け物屋敷か〜?

「さ〜、今日はカレーよー!」「え!」

水月のカレーのことを知っている人は、いっせいに固まる。

そして、目の前にカレーが置かれ、一口食べてみると辛くはなかったが甘過ぎて椅子からずり落ちる

さすが、涼宮の…味覚…


翌日、いつものように起きて顔を洗いに行って鏡を見て驚く。

「どうなってるんだー!」

今日は俺が水月になっていた。後ろを振り返ると、涼宮が居た。

「おはよう…」「おはよう…お互い大変だな…」

え!まさか、孝之〜!

この悪夢は、これから一週間続くのだった。

140,000HIT記念に続く

おまけ

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