「ふへぇ〜」
涼宮が机への上でへたれている
「体が凄くだるいよー」「夏ばてか?」「そうみたい…」「大変だなー」「うん…ふへぇ〜」
今度は頭も机につける。釣り糸にいもきんずばを付けて、涼宮の前にたらしてみるが反応が無い
スパン!
「ぐぉ…」
後ろから、スリッパでしばかれる
「何を馬鹿なことやってるのよ!」「す、スリッパで…」「何?文句あるの?」
水月は睨みをきかせる
「いえ…ありません…」
「お姉ちゃんが、夏ばて?」「そうなのよ」「ところで、夏ばてって何ですか?」「私もそれが聞きたいわね」
『教えて!』
二人同時に俺の方に顔を近づける
「全身がだるくなって、食欲もなくなるんだ。それが夏ばてってことだ」「へー。そうなんだ〜」
「私は、そんなのなったことないなー」「私もそうね」『あんたら二人は特別だって…』
スコン!ドコン!
ソフトボールとスポーツバックのコンビネーションをくらい、その場に倒れる
「誰が…」「特別ですって!」「ずみまぜんでじた…」
「夏ばてを直す方法ですか?」「そう!知らない?」「そうですねー。栄養を取ると良いって聞きましたよ」
「へー。そうなのか」「はい。どうしてそんなことを?」
雪さんは不思議そうに首を傾げる
「お元気そうですが…」「あー。なったのは、俺じゃなくって涼宮な」
「遙さんですか…でわ、後ほど何か栄養のある物を持って差し上げませんと…」「宜しく」「はい!」
雪さんはにっこりと笑う。雪さんと別れて、部屋に戻ろうとした時に立ち止まり、雪さんの所に戻る
「雪…さん…」「はい?何でしょうか?」
雪さんの両肩を掴んで、じっと目を見詰める
「もしかして…蝮酒とか蜥蜴とかを煮た物じゃないよな?」「雪を何だと思ってるんですか?」
雪さんはむくれた顔をする
「いや…ごめん…」「あとは、雪に任せて下さい」「そうだな。ごめん…」「いいえ…」
「美味しい〜」
遙は笑みを浮かべる。遙の前に詰まれたいもきんつばが、次々に消えて行く
「は、遙…いくら元気なったからって、そんなに食べたら…」「大丈夫だよ。これは、別腹だから」
いや…遙…。そんな問題じゃないと思うけど
案の定…。遙は、数時間後にトイレに駆け込むのであった…
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