「ただいま〜」「お帰りなさい…」
何時ものように雪さんが出迎えてくれる
「今日はどうだった?」「はい。みなもちゃんは、凄く頑張りましたよ」
雪さんはにっこりと笑う
「悪いことしたかな〜?見に行けなけなくて…」「仕方がありませんよ。仕事でしたんですから」
「そうだけど…やっぱりな…」
頭をかいていると、みなもが走ってきて俺に抱き付く
「えへへへ…お帰り…」「ただいま…」
みなもを降ろす
「ごめんな…今日行けなくって…」「ううん…良いよ。私、頑張ったよ!」「そうか…」
にっこりと笑いながらみなもの頭を撫でてやる
「雪さん…今日の夕食は何?」「えっとですね…」
雪さんと一緒に歩き始めた時に、肩がはずれくらいの力で引っ張られる
見てみると、みなもが俺の腕をしっかりと掴んでいた
そういえば…力はかなりあったんだっけ?
みなもは何も言わずにこっちじっと見ている
「どうした?」「約束!」
やっぱり、覚えてらしゃったのね
「悪いな…今月は休みがないんだ。だから、一緒に行けないんだ。そうだ!水月と一緒に…」
みなもは首を横に振る
「何で駄目なんだ?」
「だって…お母さんだったらきっと…『そう…そじゃあ仕方が無いわね』って言うもん!」
うげ…そっくりだ…。さすが親子だ
「そっくりですね…」
雪さんは苦笑いを浮かべる
「だから…」「解ったよ…来月でも良いか?それなら何とかなるから…」「本当…」
みなもは目を輝かせる。それを見て、黙ってうなずく
「約束だよ!」「あー約束だ」
みなもはすっと小指を差しだす。その小指に自分の小指を絡める
「約束…忘れないでよ!」「はいはい…」「大丈夫よ。忘れてても、雪が首に縄をつけて引っ張って行くから」
雪さん…何気に今日はキャラが違う気が
「約束だよ〜!」
みなもはそういって、走っていく
「時に、雪さん…」「はい…何でしょうか?」「夕飯は、何なの?」「それは、行かれれば解りますよ…」
そういって、雪さんはススっと消えて行く。それを見て首を傾げる
とりあえず台所に行ってみる
「あ、お帰り〜」
涼宮の様な水月
「あ、お帰り」
水月の様な涼宮。この時、すべてを悟った。
今日の夕食に、性格…が入ってる。確実に
わまれ右をし、部屋に向かって歩きだすと、涼宮にとめられる
「どこに行くの?ご飯が冷めるよ」
涼宮に引っ張られる
お、おい…あれって力まで変る物だったか〜?
「はい。今日は茸パスタだよ」「へー」
何かの手違いで、茸の中にあれが混ざりこんだんだろうな〜
水月はじーっとこっちを見ている
「ん…?俺の顔に何か付いてるか?」「ううん…」「早く、食べないと冷めるよ」
さて、俺はどんな風に反転するのやら
生唾を飲み込み、一口食べる
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