おかしな冥夜 |
『タケルちゃ〜ん…起きてる〜?』 ドンドン…ガチャガチャ… 『ふふふ…これで』 ガチャ! 『ぬお!チェーンロックが〜でも、これで…』 ジョキ!バタン! 『た〜け〜る〜ちゃ〜ん!』『鏡。おはようございます』『え!?』 ドドドド……ガチャ! 「タケルちゃ〜ん!大変だよ〜!一大事だよ〜!」 純夏はそう叫びながら、寝ている俺目掛けて飛び上がり、落下の勢いを利用してボディーに一発食らわせる その衝撃で体がくの字に曲がる 「ごほ…」「タケルちゃん…タケルちゃん…大変だよ!」 純夏は、ベットの上で蹲っている俺を見てキョトンとする 「タケルちゃん…」 起き上がり、純夏の頭を叩き続ける 「武。おはよう御座います」 冥夜は椅子に座りながら、にっこりと笑う。その光景に口をあんぐりと開けたまま立ち尽くす 「ねぇ。言った通りだったでしょ…」「真那さん!」 シュタ! 「お呼びですか?武様」「説明して下さい!」 びしっと冥夜を指差す 「何のことでしょうか?冥夜様におかしなところなど…」「う、顔色一つ変えないよ…さ、さすがだね…」 「冥夜の話し方がおかしいでしょ?」「冥夜様は、前からこの様な言葉使いで御座います。武様の記憶違い…」 「記憶違いですか?ある突然現れて、絶対運命とか言われたことがですか?」「はい…」 仕方がない…最終手段だ。これだけは使いたくなかったが 「解りました。真実を話してくれたら…」 ポケットから、鎧衣の着替えの瞬間を抑えた写真を取りだし、真那さんの前につきだす 「ハァハァ…鎧衣…様…」「た、タケルちゃん…このんなの、いった何時撮ったの?」「私から説明しますわ」 背筋がぞぞっとする。手から鎧衣の写真がポロリと落ちる。すかさず真那さんはそれを拾い、何時もの顔に戻る 「解りました。ご説明しましょう…」 「昨晩、冥夜様がご入浴中に誤って石鹸を踏まれ、頭を床にぶつけてしまったのです…」 「それで、こうなったと…?」「はい…」「じゃあ、純夏もぶつければ…」 純夏はキッとこっちを睨みながら、腕をシュコシュコと動かす 「体には異常はないんですよね〜?」「はい。それはご心配いりません。御剣財閥の誇る、メデカル…」 「解りました…」「タケルちゃん。今日の学校どうする?」「月詠。学校に行って来ます」 え!? 「め、冥夜様…お言葉ですが、本日は…」「私が行くと言ってるんですから良いでしょ?」「は、はい…」 「武。鏡。行きましょう…」『あははは…』 純夏と一緒に苦笑いを浮かべる 『武様…冥夜様のことを宜しくお願いします』 「千鶴。おはよう御座います」「え!?」 それを聞いた瞬間、教室中が一瞬で静まり返る。そして、ザワザワとどよめきたつ 委員長は俺を引っ張り、廊下に連れだす 「白銀君の仕業でしょう?正直に言いなさい!」「何で俺のせい何だよー。あれは…」 委員長に事情を説明する 「なるほどね」 何とか委員長を納得さると今度は教室から 『うにゃ〜!』 たまが飛び出して来る 「め、冥夜ちゃんが…冥夜ちゃんが…」 また説明かよ その日は、会う人全員に説明し続けるはめになった。学校の帰り道、走って来た香月先生の車とぶつかる え!?何で避けれない? そのショックが、良かったのか。冥夜は元通りになる よかったーこれで、平凡な日常が戻って来るー 翌日… 「タケルちゃん。起きるがよい!」「え!?今度はお前か〜!」 |
ーENDー |