椅子に座り、アルバムを眺める
こんなこともあったなー
ふっと笑う
「何を見てるの?」「ん〜アルバムだ…」「懐かしいわね〜」「だろ…」
水月は横に座り、一緒に眺める
「あ、これ。みなもが立った時のね…」「そうだな…」「水月も昔はこんなだったんだろうな〜」
「そうね…もう、この時の記憶なんてないけどね…」「俺もそうだ…」
「大空寺…」「あん…あにさ?」「お前の子供って、何歳になったんだ?」「三歳!」
ボカ!
「あいた〜。あにするじゃ〜ボケー!」「馬鹿な事を言わないで、まじめに答えろ!」
「答えてるだろうが〜!ボケー!」
え!?ってことは…まさか
「二月二十九日生まれか?」「そうさ!」
三歳ってことは…閏年は、四年に一回だから…普通だと十二歳かー。へーみなもといっこ違いかー
「おい…嘘言ってるだろ…」「あんですと〜!何で嘘を言わないといけないのさ!」
ま、それもそうだが…いっこ違いってのがいまいち納得いかん
普通…妊娠したら、お腹が大きくなって、陣痛などがあって…しかし、そんなあゆなんて見たことがないが
「何か、バイオの力で作ったろ〜!」「あんですと〜!何で、そこまでしなけりゃ〜ならんのさ!」
それもそうか…。でも、あゆだったらやりかねないと思ったんだが
「おいコラ!今、私だったらやりかねないとか考えたろ…」
ドキッ!
「図星のようね…言っとくけど、そんなことしてないから。変な噂を流したら、東京湾に沈めるわよ!」
あゆはふっと笑う。その笑いを見て背筋がぞぞっとする
本気だ…あの目は本気だ
「雪さんの小さい頃の写真はないの?」「え!?」
雪さんは驚いた顔でこっちを見る
「そんなに驚いて、どうしたの?」「いえ…雪は、小さい頃の写真は…」
雪さんは沈んだ顔をする
「御免なさい…変なこと聞いちゃったみたいね…」「いえ…気にしないで下さい」
雪さんはにっこりと笑う
「そうそう…あの、チビ雪さんはどうしたの?」「え!?あれは…」
雪さんは顔を紅くする
「突然だったので、最初は少し驚きまたけど…」「え!?」
まさか…
「彼ね…彼なのね!」「え!?何がですか…?」「良いのよ。言わなくても解ってるから…」
走って彼の所に行く
「あの…」
ドドドド……
「家の中で猪を放すなよー」
と冗談半分にいう。その直後、後頭部にソフトボールが飛んでくる
「ぐぉ!」
倒れる前に水月が俺を掴み、自分の方を向かせる
「あんた…雪さんを妊娠させたでしょ…」「はい!?」
な、何だ…いきなり。それに、雪さんを妊娠って何のことを言ってんだよ〜
「あくまで白を切るのね…」「何のことか、俺にはさっぱり何だ…」「地下室…行きましょう…」
水月は不適に笑う
「ちょっと待て!この家に地下室なんて…」「あるのよ…さ、行くわよ!」
水月は俺を引っ張りながら歩きだす
「俺は…本当に何も知らん…誰か〜。こいつを止めてくれ〜……」
バタン!
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