「永遠ーみなもー。お風呂入りなさーい!」「はーい…」
永遠は足早に風呂場に向かうが、みなもが部屋から出て来ない
何をしてるのかしら?
部屋の中をのぞいてみると、座って本を読んでいた
「みなも!何をやってるの?さっきの聞こえなかったの?」「聞こえたよ…」「だったら…」「今日は入らない!」
え!?何を言ってるのよ子のは…
「駄目よ!汗かいてるんだから…」「嫌!」
「ただいま〜」「お帰りなさい」
雪さんが笑顔で出迎えてくれる。その後ろをみなもを担いだ水月が通って行く
な、何だ…いったい何があったんだ?
それからまもなく、風呂場から絶叫が聞こえてくる
「な、何だ〜!」
「日焼がねー」
みなもの腕を見ながら頷く
「それくらい気が付いてやれよな…」「だって、私そんなのなったことなわよ」
確かに、水月さんはそうでしょうね
「雪さん…」「これですね」
雪さんは、日焼の赤みに塗る薬を渡してくれる
「そうそう…少し我慢しろよ…」
みなもは恐る恐る頷く。適量を手に取り、みなもに塗ってやる
「これでよし!ところで、何でそんなに日焼したんだ?通学だけなら、そんなに焼けないだろー?」
「運動会の練習さ」「あーなるほどな…もう、そんな時期なのかー」
「みなもはどっちなんだ?」「白…」「永遠は?」「赤…」
敵同士かー
「恵ちゃんは?」「白…」「じゃあ真琴ちゃんは?」「赤…」
何だ…この組み合わせは…運動神経が良いのが赤で、そうでもないのが白って…
「頑張れよ!」「駄目だよ…どうせ負けるもん…」「そんなのやってみないと解らないだろ?」
みなもはブンブンと首を横に振る
「解るよ!だって、赤には永遠と真琴ちゃんが居るんだよ!」「赤だって、二人だけじゃないだろ?」
みなもは黙って頷く
「大丈夫ですよ。みなもちゃんなら、絶対に勝てます」
雪さんは自信満々な顔でいう
「だって、永遠君とは双子なんですから、大丈夫ですよ」「そうだな。頑張れよ」
「頑張ったら、何でも買って貰えるますから〜」「え!?聞いてない…うご…」
雪さんは笑いながら、俺の口を押さえる
「本当…?」
みなもは首を傾げる
「本当ですよ。ですから、頑張って下さいね。雪と約束です」
雪さんはすっと小指を前にだす。みなもは、頷きその小指に自分の小指を絡める
「私、頑張るから…絶対に見に来てね」「はい。必ず行きますよ」
みなもは足早に部屋に戻って行く
「良かったですね」
雪さんがそう言いながら、こっちを向く。その時、すでに酸欠状態になってお花畑を見ていた
「す、すみません…」
雪さんは慌てて手を放すが、しばらくぐったりとしたままだった
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