遙ロボ2
「これで最後です!」

レポート用紙を机の上に置く

疲れた〜一ヶ月だもんなーさすがにきついよなー

「ご苦労様。どうだった、女のことの同居は?」

香月先生は、興味津々といった顔でこっちを見る

「別に変りありませんよ…」「あら?変な気でもおこしたんじゃないの?」

俺って…どんな風に思われてんだか

「とにかく、普通でした。それはレポートを見れば解るはずですけど…?」

ちょっとむっとした顔で香月先生を見る

「レポートに書けない事を…」「断じて…してません!」

きっぱりと言い切る

「そうだ…あれはこれからどうするんですか?」「スクラップよ」「え!?」

香月先生は俺の反応を見てふっと笑う

「目的は達せられたわ」「でも…」「くどいわよ!私が作ったんだから、どうしようと私の勝手でしょ…」

「それは…そうですが…」「なに…引き取るっていうのかしら?」


学校帰り

「それで…引き取ったの?」「だって可愛そうだろ…?」「戦略にはめられたわね…」「え!?」

「はなっから、あんたに押し付けるつもりだったのよ」「何〜!」

そうだったのか

呆然とその場に立ちつく

「引き取ったんだから、責任持ちなさいね」「やっぱり…私は居ない方が良いんだよね…だって私は…」

「わ〜わ〜。そんなことは全然無いから…気にしなくて良いから…」「そう…?」「そうそう!」

水月はその光景をシラーと見つめる

「ところでさ〜。どうだった?彼との同居は?」「凄く楽しかったよ。色々なことしたんだよ」

水月は俺の方をギロッと睨み付ける

「ま、待て…二人で料理したとかをしたって事だよ…」「メイドさんも楽しかったよ…」

「ふーん。メイドさんね〜」

水月は徐々に顔を近づけて来る

「げ、ゲームだよ…ゲーム…」「ふーん。ところで、聞きたいんだけど」「何をだ?」

「どれくらい人間に近いの?」「胸もちゃんとあるし。あれもちゃんと付いてる。完全な人間だ!」

「完全…見たの?見たのね!」

水月から殺気が発せられる

「す、少しだけ…見られちゃったかも…」

ポッと顔を紅くする

「ちょっと待て〜!誤解だ〜!話を聞いてくれ〜」「このド変体〜!」

バコン!

「キャフーン……キラン☆」「まったく、何を考えてるのかしら…」


「とにかく!これからどうするの?」「そうだな…もしも、茜ちゃんに見つかったら大事だからな」

「え!?茜なら、さっきからあそこの角からこっちを見てるわよ」「何〜!」

見てみると、茜ちゃんは俺のこと軽蔑した目で見ていた。

何でそんな目でこっち見てるのよ〜

茜ちゃんはだっと走ってきながら、スポーツバックを取り出す。そのまま勢いで、俺の顔をスポーツバックで殴る

「ぐは……何で…俺なんだ…」「何を考えてるんですか〜!こんな偽もなんて作って!」「やっぱり…偽もだよね…」

「茜。一緒に来なさい…」


物理準備室の前

「本当にこれで良かったかの?」「私達に文句言われても、仕方がないでしょ?」「まあな…」

しばらくして中から茜ちゃんが出て来る

「これはお姉ちゃんなんだ…これはお姉ちゃんなんだ…」「え…」「香月先生…いったい何をしたんだ?」


「え!?私のロボットが居るの?」「そうよ」

水月は俺の襟を掴み、涼宮の前に突きだす

「ど、どうも〜」「こいつの家に居るのよ!」「ちょっと…あって見たいかも…」「今度、連れて来るわね」「それはマズイと…」

水月はギロッと睨み付ける

「は、はい…明日、連れて来ます…」


「これが、そうよ」「わ〜。私にそっくりだね」「性格もな…」「始めましてだね」「そうだね…」

なんだか、意外とほんわかした感じだな

しばらく二人は楽しげに話をする

やっぱり、似たもの同士だから話も盛り上がるんだな〜

そんな時、ふとあることが耳に入ってくる

「あのね。メイドさんて凄く可愛いんだよ…」「そうの?」「うん!」「メイドさん…」

水月は逃げようとしている俺をひっ捕まえる

「何をやってるのよ〜!」「いや〜。テレビで見て…それで…」「ふーん…一回死んでこ〜い!」「がちょ〜ん!」

ーENDー



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