海岸に集まってくれといわれていたので、海岸に行く
「何しかしら?」「さあな…。マナマナが…」
ドス!
真那さんのボディーブローが見事に決まる
「ぐぉ…」「マナがひとつ余計ですよ」「真那さん…いつの間に…」
パタ…
「それでは」「火を」「つけます」
サン馬鹿が火をつける。そして、キャンプファイアーが始まる
「綺麗…」
思わず後ろに二、三歩下がり、水月の顔を見る
「何よ…その顔は…?」
水月は不満そうにこっちを見る
「いや…水月からそんな言葉…」
ゴン!
「悪かったわねー!似合わなくって!」「な、何も…残ってる丸太を…」
パタ…
「水月…」「あ、遙じゃな。あれ?孝之は…」
遙は黙ってと指差す。その先では、孝之が子供達の世話に奮闘していた
孝之も大変ね…
呆れ顔でその光景を眺める
「ねぇ…知ってる?」「何を?」「キャンプファイアーの炎にお願い事するとかなうんだって…」
「ふーん…」
ニヤニヤ笑いながら遙を見る
「遙って本当におまじないとかだけは詳しいわね」「だけじゃないよ〜」
遙はうったいかけるような目で見てくる
「絵本にも詳しいもんね」
茜がクスクスと笑いながらやってくる
「茜まで…」「二人とも…遙が可愛いそうだぞ」
孝之が子供達を引き連れながらやってくる
「じゃぁ。ほかに何があるのよー?」「そうです!言ってみて下さい!」「孝之…さん…」
遙はじっと孝之の方を見る
「うぐ…」
孝之は、思わず後ろに二、三歩下がる
「まさか…」
茜と一緒に疑いの眼差しで孝之を見る
「遙は…勉強ができるだろ?」
孝之は冷汗をかきながらいう
「他には?ずっと一緒に居たんだから、それくらい判りますよね?」「うぐ…」
茜の発言を聞いて、孝之に何かが突き刺さる
「ほら、動物とかに好かれやすいて…」「それは、良い所じゃないわね!」「そうですね!」
再度、孝之に何かが突き刺さる
「もういいよ…」
遙は走って行ってしまう
「あ、遙は…」
孝之は何も出来ずにその場に立ち尽くす
『あ〜あ〜…』
ゆっくりと目を閉じて願いごとをする
せっかく、遙が教えてくれたんだしね…
そんなことを思いながら、くすっと笑う
「水月先輩…」
目を開けると、茜がニヤニヤと笑いながらこっちを見ていた
「さっきは信じてないような顔してたのに…」「べ、別に信じないなんて一言もいってないわよ!」
顔を紅くする
「それもそうですね…。ところで…」
茜はニヤーと笑う
「何を御願いしたんですか?」「そ、そんなのいえるわけないでしょ!」
それだけいって走りだす
「あ〜。良いじゃないですか〜」「嫌よ!絶対に…」
こんなのいえる訳ないじゃない…恥ずかしくて…。ずっと、幸せで暮らせますようになんて…
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