新生活 |
「行って来ます…」「行ってらっしゃい…」「行ってらっしゃい。水月によろしくな」「はい…」 二人はにっこりと笑いながら手を振る。ゆっくりと駅に向かって歩きだすが、 その足を止めて急いで戻る 「どうした?忘れ物…?」「お姉ちゃんじゃないんだから、するわけ無いでしょ!」 「う〜…酷いよ〜」 呆れ顔でため息をつく。ゆっくりと顔をあげて鳴海さんの方を見る 「鳴海さん…」「な、なんだい…」「お姉ちゃん泣かしたら、駄目ですからね!」 そういってにっこりと笑わい、駅に向かって走りだす 「遙を…泣かすなか…」「茜らしいね…」「そうだな…」 電車の中からボーっと外を眺める この町とも…しばらくお別れだな〜 徐々に家が少なくなっていき、田圃が増えてくる えっと…ここだよね〜? メモと住所を照らし合わせて頷く ピンポーン! 『は〜い!』 中から懐かしい声が聞こえて来る。そしてドアが開き、懐かしい姿がそこにはあった 「早かったわね…」「水月先輩…お久しぶりです…」 軽く会釈をする 「さ、中に入って…」 水月先輩は脇に避ける 「お…邪魔します…」 少し緊張しながら中に入る。それを見て水月先輩はクスクスと笑う 「茜〜お邪魔しますわ無いでしょ…」「え!?」 驚きの表情で水月先輩を見る 「今日から、茜の家でもあるんだから、ただいまでしょ…」「あ!?まだ…実感がわかなくて…」 顔を紅しながら下を向く 「中でお茶にしましょ」「はい…」 「茜の荷物は部屋に置いてあるから…」 水月先輩はお茶の準備をしながら言う 「部屋…?」「あ、言ってなかったわね」 水月先輩は歩いて一つの部屋の前に行く 「ここよ。遠慮しないで使って良いわよ。一人だから、部屋を持て余してるのよ」 水月先輩は照れくさそうに笑う 「有難うございます…」 深々と頭を下げる 「うん…今付いた所」『そうなんだ〜』「お姉ちゃん。あの後、鳴海さんと…」 しばらく受話器から何も聞こえて来なかった。電話の向こうで顔を真赤にしているお姉ちゃんを想像する 『べ、別になにもないよ〜』 今の間が十分にものがったてるよ。お姉ちゃん 「それじゃ、切るね」『うん。何かあったら言ってね』「はいはい…バイバイ」 電話を切り、水月先輩の所に行く 私の新しい生活が今日から始まるんだ…。よし!頑張るぞ〜! |
ーENDー |