プレッシャー |
ワーワー… 何時ものようにプールからは歓声が聞こえて来る 頑張ってるかっと プールサイドのフェンス越しに中を覗くと、水月が泳ぎ始めるところだった お、今からか…良い時に来たかな? そんなことを考えながらふっと笑う それから少しして水月が泳ぎ始める。泳ぎ終わり、コーチから水月はお決まりの言葉を言われる 『お前には、この学校の全員が期待してるんだぞ!』と…… そして、水月がプールサイドを歩いている時、ぐらっと揺らいでその場に倒れる 「み、水月…!」 あれ…ここは何処? 右を見ても、左を見ても果てしなく真っ暗な闇が続く。今の私はその中にフワフワと浮いているだけ 孤独感などに押しつぶされそうになる。その時、私はこのまま何かに押しつぶされそうな感じしていた 白い壁。鼻につく消毒液の匂い。そして、ただ黙ってこっち見つめる人体模型 ベットの上では水月が寝ている。何でこうなったかというと…… 「あ、君!」「え?僕ですか…?」 キョトンとした顔で自分を指差す 「他に誰が居る?」 辺りを見渡すが俺しか居なかった 「彼女を保健室まで連れて行ってやってくれ」「あ、はい…」 でも、何で俺なんだ?自分で連れて行けば良いだろうに 水月を抱えあげて保健室に連れて行く という訳で、水月に付き添ってるわけである うーん…この状況はすごくまずいと思うが…ま、仕方が無いよな 視線を下に向ける。ベットで寝ている水月の手が俺のをしっかりと握っている 先生も用事があるとかで、どこかに行ってしまったので、事実上…二人っきりなのだ 闇の中で一人小さく丸くなっていると。前に一つの光の玉が降りてくる その玉をそっと手に乗せて自分の胸に押し付ける。その玉は、すごく暖かく優しく感じれた その玉を持ってから、孤独感などが徐々に消えていく ゆっくりと目を開ける。窓から生暖かい風が吹き込んで来る。その風が私の髪を揺らす 「よ!目が覚めたか?」 ゆっくりと首を横に向ける 「私…」「倒れたんだぞ!それで、俺がここまで運んだ」「そう…なんだ…」 顔を戻して、額の上に手を置いて目を細める 「ずっと…握っててくれたんだ…」「え!?ああ…俺に出来るのはこれくらいだかな」 そういって照れくさそうに笑う 「練習に…行かないと…」 体を起こすとそっと両肩をつかみ、そっと寝かされる 「そんな体で行ったら、また倒れるだけだぞ。今日はも終わり!」「う、うん…」 寝ながらこっくりと頷く 「じゃあな…」「あ、待って…」「どうした…?」「ありがとう…」 水月は照れくさそうに顔を紅くする 「お!水月からそんな言葉が聴けるとわな〜。意外だな〜」「何ですって!」 スコン! 「あだ〜!」「最低〜!」「水月はそうじゃなくっちゃな」 そういって笑う 「え!?」「元気でたか?」「あ…」「俺が好きな水月は、そうだじゃなくっちゃな!」「え!?」 「じゃ、じゅあな…」「あ…」 紅い顔で走りだす 俺ってば、何を言ってんだよ…恥ずかし〜い |
ーENDー |