コンコン…
『はーい。少しお待ち下さい…』
ドアが開き、中から雪さんが顔をだす
「雪さんに届け物だよ」「え、あ、ありがとう御座います…」
雪さんは一瞬嬉しそうな顔をする。それを見て首を傾げる
届きました…でも、今あけるのは
あえて荷物を遠くに置いて離れるが、振り返りじーとその荷物を見つめる
駄目です。絶対に駄目です…。あれを開けては
「雪さんに届け物だったんでしょ?」「そうだけど…」「何だったの?」
水月はせんべいをかじる
「俺は、人の荷物まで空けるような干渉なしじゃない!」「そうだったんだ〜」
水月は驚いた顔でこっちを見る
もしかして…そうだと思ってたのですか…?水月さん
鏡の前でクルクルと回る
やっぱり…良いです。この感触、この感じ
思わず頬を紅く染めて、うっとりする。
ああ…もう雪は、雪は
「あ、そうだ…雪さんに手紙がきてたわよ」「な、何でさっき渡して…」「さっき気がついたのよ。宜しく」
「な、何で俺が…」「暇でしょ?」「うぐ…」
確かにそうだが…だからって
「解ったよ…」「宜しく〜」
水月はニコニコ笑いながら手を振る
しぶしぶ、雪さんの部屋へ行く
コンコン…
「雪さん…入るよ…」
ドアを開けて中に入って驚く、そこには一匹の猿が居たからである
「ウキッ!」「え…?何で猿が?」
目をパチクリさせる。猿はゆっくりと振り返ると、ちょうど猿の顔が雪さんになった猿だった
「ゆ、雪さん!」
雪さんは顔を紅くする
「ふーん…今年みたいに、気ぐるみをねー」「はい…どうしても、我慢が出来なくて…」
だが、今の状況はすごく微妙である。隣に座っているのは、猿の着ぐるみを雪さんだから
「可愛いと思うけど…雪さんだから、何を着ても可愛いかもな…」
照れくさそうに頬を紅くする
「あ、そうだ。これ」
雪さんに手紙を渡す
「用事はそれだけだから」
そういって部屋から出た後で戻って来て、ドアを少し開けて顔を覗かせる
「俺…誰にも言わないから…」
そういってドアを閉める
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