オリンピック
暇だな〜

ぼ〜としながら、天井を見上げる

ピンポーン!

ん…誰だ?こんな時間に

「はーい…」

鍵を開けてドアを開ける。すると、そこには…

「元気にしてる?」

ドアに頭をぶつける

「何をしてる?」「それは…こっちの台詞だって…」


「で、今日は何しに来たんだ?」「何か無いと来たら駄目なの?」

え!?

「いや…別に…そうじゃないけどな…」

何気に顔を紅くする。水月はこっちを見てにっこり笑う。水月はテレビの電源を入れ、チャンネルまわす

「何かあるのか?」「これよ!これ!」

テレビに映しだされているのは、オリンピックの映像だった

オリンピック…?

「何で、オリンピック何だ?」「あれ?知らなかった?」「何かあるのか?」

水月はため息をつく

「も〜覚えててあげなさいよ〜」「あ〜!」

手をポンと打つ

「茜ちゃんが出るんだっけ?」「そうよ…本当は覚えててでしょ?」

水月はしらーとこっちを見てくる

「いや…マジで忘れた」「茜が可愛そう…」「悪かったよ!俺が悪かったよー!」「解れば良いのよ。解れば…」

しばらく二人で、オリンピックの中継を見る。しばらくして、水月がおもむろに立ち上がる

「ん…どうした?」「ちょっと、ベット借りて良い?」「お!やるのか?」

ミシ!

水月の拳が顔面を捉える

「馬鹿なこと…言わない!」「ずみません…」

そのまま後ろに倒れる。水月は、テレビに背を向けるようにして横になる

しばらくして、水泳の中継が始まる。水月を起こそうと思ったが、気持ち良さそうに寝ていたのでやめておいた

茜ちゃんが映しだされる。一通り紹介があった後、競技が始まる。茜ちゃんは、凄い速さで泳ぎ始める

お!前より速くなってないか?

くるっと回り、ターンをしてさらに加速する。そして、そのまま一位でゴールする

なんだか…凄いな〜

茜ちゃんが表所代の一番高い所にあがる。その首には金メダルがさがっている

『涼宮選手…おめでとう御座います。この気持ちを誰に伝えたいですか?』

茜ちゃんはゆっくりと目を瞑り、そしてゆっくりと開ける

『このことは、私の憧れの人に伝えたいです…』『憧れの人ですか…?それは誰ですか?』

『それは、何時も私の先を泳いでいるんです。私がいくら泳いでも、絶対にその人には追い付けないでん…』

『誰ですか?それは…』

茜ちゃんはゆっくりと首を振る

水月の事だってことは、すぐに解った。ベットの上で寝ている水月の方を見る

「水月…聞いてたか?」

そういってふっと笑い、立ち上がってタオルを取りに行く。そして、水月の上にそっとのせる

何も言わず、テレビの前に座る。しばらくして、水月がタオルを持ってやって来る

「茜ちゃん…頑張ってな」「そうね…」「あれ…?寝てたんじゃないのか?」

悪戯ぽく笑いながらいう。水月は紅い顔をしながら、俺目掛けてタオルを投げつける

「もー!そんな事どうでも良いでしょ!」「そうだな…腹減ったなー何か食いに行くかー」「そうね…」

「帰りに、茜ちゃんにお祝いの品でも買うかな…。水月も買うだろ?」「え!?」

水月は困った顔をする。そんな水月の頭をポンと叩く

「茜ちゃんの言葉、聞いてなかったのか?」

水月は首を横に振る

「だろ?だったら…。ま、無理にとはいわないがな…」

水月は、しばらく下を向いたまま立ちつくす

「どうする?買う、買わない、3、2、1、はい!」「か、買う…」「よし!行こうぜ!」

水月と一緒に部屋から出る。そして、茜ちゃんが帰って来たのは、それからまもなくしてからだった…

出迎えに行ったのは、俺、涼宮、孝之…そして水月である。

ーENDー



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