お見舞い |
一つの病室のドアを叩く。 『どうぞ…』 何だ、元気そうだな。 ドアを開けて中に入る。 「よ!元気か?」「はい!見ての通りです」「だったら、何でこんな所に居るんだ?」 「私だって、好きで居るわけじゃないです!」 茜ちゃんはぶーと膨れる。 「ほれ、見舞いの品のメロンだ!」「わー!有難う御座います」 茜ちゃんは嬉しそうに受けとる。ベットの脇の椅子に腰掛ける。 「本当にどうも無いのか?」「はい!でも、家の両親が…」 まあ確かにな、涼宮のことがあるからな。用心してんだろうな。 「まあ、仕方がないんだろう。だけど、きちんと検査とか受けないと、涼宮みたいなるぞ!」 「え…! お姉ちゃん…みたいですか!」 茜ちゃんは嫌そうな顔をする。 この事を涼宮が聞いたら『う〜…ひどいよ〜』て言うだろうな。 「クシュン!」「大丈夫ですか…?」「はん!どうせ、毎晩ちちくりあってるせいね」 ふにゅ! 「誰が…毎晩だって〜!え〜!」「いだだだだ…はなへ〜!」「誰が離すかー!」 いったい誰が噂してたのかなー? 「学校はどうだ?」「楽しいですよ。でも…今は何かあったみたいで…」 茜ちゃんは顔を下に向ける。 「そうなのか…」 コンコン! 「どうぞ…」 ドアが開き、涼宮のお母さんが入って来る。涼宮のお母さんに会釈する。 「まだなの〜? 速く泳ぎたいよ〜」「駄目よ。きちんと検査を受けないと」「もう大丈夫だってばー」 「駄目よ!もし何かあったらどうするの?」「ぶー!」「もう…この子ったら」 涼宮のお母さんは苦笑いを浮かべる。 「それじゃあ、俺はこれで失礼します」「あら、また来てやって下さいね」「はい、そのつもりです」 「それじゃあ…」 涼宮のお母さんに軽く会釈し、茜ちゃんに手を振りながら病室から出る |
ーENDー |