妄想 PARTU
「店長…大変なことになりましたね」「はい…これでは、営業が出来ません。困ったものです」

「大空寺先輩が、襲われたんですよね〜?」「はい、そうです」

「しかし、あの大空寺がな〜。殺されても、死にそうに無い奴がな〜」

「鳴海君、玉野さん、穂村さん。このような状態ですので、営業が出来るようになるまで…」

「判りました。自宅待機ですね」「すみません。その間のお給料はお支払いしますので」

「そ、そんな〜。店長だっていろいろと大変なんですから」「そうですか? 判りました」

あーなんてカッコイイんでしょう。孝之ちゃん…惚れ直しちゃう。


「そうだ!穂村さん」「は、はい…なんですか?」

私にの名前を…孝之ちゃんが…呼んでくれた。

「何か用事でもありますか?」「え、いえ…何もありませんけど」

「だったら、これから何処かに行きませんか?」

孝之ちゃんが私のことを誘ってくれてる。これは、デートのかしらー。そんな、まだ早いわ孝之ちゃん

「キャー…」「ほ、穂村さん…」

いけない、また孝之ちゃんに不信感を持たれてる。平常心よ、平常心。

「何処に行きますの?」「どこか行きたい場所、ありますか?」

そんな〜、沢山ありすぎて決められないわ。でも、孝之ちゃんがこう言ってくれてるん

だから、どこか考えないと。

「えっと…。海。そう、海を見に行きましょう」「海ですか? 玉野さんもそれでいい?」「はい」

え、2人きりじゃないの…。そ、そんな…。これは何かの間違いよきっとそうよ。

「穂村…さん?」「え、はい…なんですか?」「さっきから、ボーとしてますけど…どこか悪いんじゃ?」

孝之ちゃんが…私のことを心配してくれてる。やっぱり、孝之ちゃんって優しいのね。

「平気ですから。さ、海に行きましょう」「なら、良いんですけど…」


何ですかあの子わ。さっきから、ずっと孝之ちゃんの側に引っ付いて、私の孝之ちゃんから少し離れなさいよ!

「凄く綺麗ですね〜。穂村さん」「そ、そうですね」

平常心よ。孝之ちゃんがすぐ側に…駄目よ。ここは我慢しないと、でも…我慢ができない。

「ハアハア…」「穂村さんは、1人で…うわ〜!ほ、穂村さん…」「え、あ!御免なさい。何ですか?」

「1人で、海とか見に来るのかなーって思ったんです」「私は、そろそろ…」「じゃあ、俺も帰るか…」

え、孝之ちゃん帰っちゃうの?

「穂村さんはどうします?」「私も帰りますよ」「なら、一緒に駅まで行きませんか?」「はい、喜んで」



「俺は、こっちだから」「さようなら」

あ…孝之ちゃんが行っちゃう…。この子が居る限り、私と孝之ちゃんは…。

仕方が無いですねこの子に消えてもらいます。

「玉野先輩、ちょっと良いですか?」「はい、何ですか?」


「ただいま〜」「もー、随分と遅かったですね!」「また勝手に人の家に…」「はい、お姉ちゃんからです!」

「悪いな」「悪いと思ってるんなら…」

『臨時ニュースをお伝えします。本日の昼頃、橘町駅で『玉野まゆ』さんが何者か襲われた模様です。

それでは、現場を呼んでみましょう。現場ののみさん?』

ーENDー



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