君ラブクエスト〜プロローグ〜
あー、暇だなー。俺が暇だってことは、世の中が平和だって証拠なんだけど。こうも、仕事が無いとなー。

そんなのことを考えながら、机にへたれ込む。

何かこー、大きな事件でもないかなー。暇だ〜…。こうしてても腹はすく。仕方がない、朝飯を作るかー。

朝飯を作り食べ始めた時、物凄い音が聞こえてきた。その音は、俺の部屋の前で止まる。

ものすごくいやな予感が…。

ミツキがドアを開けて入ってくるなり、俺を引っ張って行く。

「俺の朝飯〜…」


しばらくて、開放される。

「何だよ、人が朝飯食べてんのに」「人間はねー、一食ぐらい抜いたって死なないわよ!」「あのなー!」

ミツキが一枚の紙を顔に投げつけてくる。

「何だ? 依頼書?」「ほかに何に見えるのよ」「字の書いた紙」

腹に一発もらう。

「馬鹿なこと言ってないで、ちゃんと読みなさい」「あいててて…わかったよ」

依頼主はハルカで、内容はタカユキ探しかー……

「何〜!」「どうしたの?」「タカユキ探しって!」「そうなのよ、おかしいでしょ」

何で、こんな依頼を?

「何か聞いている?」「そうねー、いきなり居なくなった。くらいかしら」「いきなり、居なくなった!」

「そうよ。朝起きたら、こんな手紙だけ残してね」「手紙?」「これよ」

ミツキからその手紙を受け取り読む。その内容は『ハルカすまないが、しばらく留守にする』ただそれだけ

「なんだよ、これ?」「私に聞かれても知らないわよー」「それもそうだな」

手紙を見ながらしばらく考え込む。しかし、妙な話だよな。これだけしか書き残さないなんて。

「さすがにこれだけだと、ちょっと苦しいかもな」「だから、依頼がきたんでしょ」「あのなー…」

「さー、行きましょか〜!」「どこに?」

ミツキは拳を俺に向ける。

「冗談だって、タカユキを探しにだろ?」「判ってるんなら、行くわよ!」「へいへい…」

ミツキと一緒に町から出ようとした時、後ろから短剣が飛んできて、俺の顔の横を通る。

この短剣は…。あいつしか居ないよなー。

ゆっくりと振り返ると、にっこりと笑ったアカネが立っていた。

「危ないだろうが〜!」「え!大丈夫ですよ。ちゃんと、外れるように投げましたから!」

「そんな問題じゃない!」「何で、アカネがここに居るの?」「お姉ちゃんが心配だから、一緒にって」

アカネは俺の方を見る。俺の監視役ってことですか…。俺ってそんなに信頼無いんですか…ハルカさん…

「出発〜!」「オー!」「ォー!」

こうして、三人でタカユキの捜索へと出発した。


その光景を空の上から眺めている、二人の人物が居た。

「何やら、うるさい虫が動き出したようだなー」「こいつらは、早々に排除すべきだ」

「それはなぜだ? 俺にはたいした奴には見えんが?」「それは、見かけだならな」

「早々に排除しておかないと、あの方の災いなるな」「そうだな。早速、何らかの手をうつか」

「そうだな。出る杭は打たれるだな」「そうだな」

二人は不適に笑う。

「手始めに、あの二人をぶつけてみるか?」「あの二人?」「ほら、スミカとメイヤだ」

「そうだな、あの二人なら小手調べにちょうどいい」

二人はそのまま、どこかに消えて行く。


「ミツキ…気がついていたか?」「もちろん、あれって…」「そうだな、タカユキだ」

何で、タカユキにあんな事が…。見間違いと言うこともあるな。

「どうしたんですか?」「いや、なんでもない」「あー、二人だけの秘密ですかー!」

「そんなところね」「そうそう…」「ぶー!」「ほら、行くぞ!」

第一章に続く


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