君ラヴクエスト -第一章- |
「二人とも、よろしく頼む」「タケルちゃん!任せといて!」「タケル、安心するが良い。必ず仕留めてみせる」 それだけ言うと、二人は消え去る。 「さて、どれくらいの成果をあげるやら」「そうだな、捨て駒だがな」「そうだな」 「私は、買い物してきますね」「じゃー、私は宿探し」「俺は…?」『情報収集!』 「やっぱり…」「一時間後に、公園の噴水の前に集まりましょ!」「判りました」「了解」 みんな散り散りになる。さて、俺は情報を集めるかー。聞き込みをしていた時したが、何も成果は無かった。 はー…こんなので、情報なんて集まるのかー? 途方にくれている時に殺気を感じ取り、すばやく振り返る。そこには二人の女の子が立っていた。 「貴方に恨みは無いけど、死んでもらいます!」「覚悟〜!」 一人がいきなり切りかかって来る。振り下ろされた剣を小手で防ぐ。 「さすがだな。だが、甘い!」「何!」 もう一人が脇から現れて、俺の腹に一瞬で5発も入れてきた。衝撃で吹っ飛ばされ、民家の壁を突き破る そこに、ミツキとアカネが駆けつける。 「役者は揃ったみたいですね」「そのようだな」「あいてて…」「大丈夫?」 この時、初めてミツキに感謝した。ミツキのおかげで、かなり打たれずよくなっていたからだ。 「嘘!本気の拳を5発も入れたのよ!」「なるほど、確かに一筋縄ではいかないな。だが!」 「ここで、引き下がる訳にはいかないのよ!」「観念しろ!」 そう言うと、二人同時に向かってくる。 「俺だってなー、そう簡単に倒されはしないさ!」 すっと二人の攻撃をかわす。 「え!かわされたの?」「信じられん」 俺はニヤリと笑う。俺の後ろからミツキが飛び出して、二人に切りかかる。 二人は、何とかその攻撃をかわして、すぐさま身構える。 「刀が無い!」「お探し物はこれか?」「何時の間に!」「この人達、出来るわ!」 「どうした? まだやるか?」「やめといた方が、身のためよ」「そうですよ、丸腰じゃー戦えませんよ」 「負けは、許されないのよ!」 そう言いながら、一人が飛び掛ってくる。その攻撃を容易く避ける。 「ねー、おかしいわよ」「ん?」「あ!あの目を見てください!」 彼女達の目を見てみる。あの目は、誰かに洗脳されているのか? 洗脳…こんな事が出来る奴は、奴しか居ない 「仕方が無い、気絶させるぞ!」「判ったわ!」 二人の懐に入り、腹を殴り気絶させる。 「さて、この子達どうします?」「そうだなー。とりあえず、宿に連れて行こう」「そうですね」 「お帰りなさいませ。おや? どうかなさいましたか?」「あのー、すみませんが彼女達を寝かせる場所を」 「かしこまりました。こちらに」「どうもすみません」 案内された部屋に行き、彼女達をベットに寝かせる。 しばらくして、二人は目を開ける。 「気が付いたか?」「ここ何処ですか?」「ここか? ここは、リーゼって村の宿屋だ」 「なぜこのような所に…」「貴方達は、誰かに洗脳されてたのよ」「洗脳…」 「そうです。でも、今はその洗脳も解けてるみたいですね」 「まー、とりあえず。ゆっくりと休むといいよ」「はい…」「かたじけない…」 部屋から出て、情報集めの続きを始める。 「何も覚えてないんだ〜」「面目ない…」「それは、仕方が無いですよ」「そうよ。もっと食べて」 「君達を洗脳したのは、タケルだ!」「え、タケルちゃんが!」「タケルが!」 「正確に言えばタケルの影に居る、何者かがやったんだろうな」 しばらく沈黙が続く。 「まー、こんな話はこれ位にして、食べようぜ」「そうですね」「そうね」「はい!」「うむ!」 翌朝 「良かったら、次の町まで一緒に行かない?」「そうですよ。旅は道連れです」「それじゃあ、よろしくお願いします」 「不束者だがよろしく頼む」「決まりだな」「たけるちゃ〜ん…私にこんな事をした、罰はちゃんと受けてもうらうからねー!」 次の町、港町フェルを目指して旅立った。 「タケル? どうしたんだ? 震えているぞ?」「俺にも判らないが、何か悪寒が…」 一人で震えているタケルをシラーと見つめる。 「今度はお前だ、うまくやれよ」「御衣!」「奴らの弱点を探りだんだ」「御衣!それでは行って来ます」 そう言うと、その場から消え去る。 「あいつで…大丈夫なのか?」「なーに、うまくやるさ。あいつさえ出てこなければな」 「あいつ?」「気にするな。そいつは今は行方不明だからな」「そうか、だったら安心だな」 |
ー第二章に続くー |