君ラヴクエスト -第二章-
「元気でな」「また、会いましょ」「バイバイ」「今まで、有難う御座いました」「頑張って下さい」

「おう!」「当然!」「当たり前よ!」「それでは」

二人は軽く会釈をして行ってしまう。

「さてと、情報でも集めてくるか」「私とアカネは、一緒に宿を探してくるはね」「よろしくな」

「待ち合わせは、この町のにある噴水の所にしましょう」「そうだな。それじゃ、俺は行くな」

二人と別れ、情報を聞いてまわる。いろいろな人に話を聞きながら、港へと向かう。

うーん…、目撃者すら無しかー。まさかな…船に乗ったって事は、無いよな…。一様、聞いてみるかー

「え!タカ…ユキ…さん?」「そう、知らないか?」「あ!そう言えば」「思い当たる事あるのか?」

「はい!先日、私の船に乗せて差し上げました」「本当か!」「はい、間違いありません」

そうかー、船に乗ったのか〜。だとすると、俺達も海を渡らないといけないなー。

「なー」「はい、何ですか?」「何処まで乗せたの?」「レックまでです」「レックか〜」

そう遠く無いなから、行けない事無いか〜。あ!俺達、船…持ってない。どうしよう…。

「あのー…宜しければ。明日、ここを出港しますので、その時に一緒に…」「本当!」「は、はい…」

「それじゃー、よろしく頼む!」「御衣!」「ところで…」「? 何ですか?」「名前を聞いてなかったな」

「マユです」「そうかー、まゆ。よろしくな」「御衣!」


やべ〜、このままだと2人ともかなり機嫌が悪いぞー。

そんな事を考えながら走っていると、人にぶつかって転ぶ。

「あいててて…。大丈夫か?」「……あにすんじゃー!ボケ〜!」「怪我は無いみたいだな。それじゃ!」「待てこら〜!」

何やら騒いでいたが気にせず、待ち合わせば所に急ぐ。

ん? まだ来てないのか?

公園全体を見渡せる、噴水の前で辺りを見渡すが、2人の姿は何処にも無かった。

その時いきなり後ろから、誰かに抱きつかれる。振り返ってみると、それはハルカだった。

ハルカは、何故か泣いていた。

「う〜…やっと見つけた…」「どうしたんだ?」「ずっと探してたんだよ」「探してた?」

ハルカはウンと頷く。それを見て、頬をポリポリとしながら、これかどうするかを考える。

しばらくして、ミツキとアカネがやって来る。

「あれ? ハルカじゃない」「お姉ちゃん、どうしてここに居るの?」「ミツキ〜…アカネ〜…」

ハルカはそう言いながら、2人に抱きつく。



宿屋の自室にて。

「で、心配で俺達を追いかけて来たと」「転送魔法を使ったまでは良かったけど、何処か知らない場所に出て」

「一人で、ずっとさ迷ってたと」「うん…」「大変だったな。もう心配は要らないだろ」「そうね」

「私、頑張るよ」

ハルカはグッと気合を入れる。それを見て、3人で苦笑いを浮かべる。



「よろしく頼むな」「お世話になります」「始めまして…」「よろしく」

船に乗り込み、ゆっくりと動き出す。

「こちらが、皆さんのお部屋になります」「へ〜、結構広いのねー」「ベットもふかふかだよ」

「お姉ちゃん…恥ずかしいから、やめて」「何かありましたら、言って下さい」「有難うな」「ごゆっくり」

そう言って、マユは部屋から出て行く。



夜、一人で甲板に出て夜空を眺めていると、ミツキがそっと側にやって来る。

「綺麗ね〜」「そうだな」「ねー、タカユキもこの空見てるかなー?」「どうだろうなー」

その後、どちらも何も言わず、ただ星空を見上げる。しばらくして、ハルカがやって来る。

「う〜……気持ち悪いよー…」「ちょ、ちょっと。ハルカ大丈夫?」「駄目みたい…」


しばらくお待ち下さい。


「気分はどう?」「うん、少し楽になったよ」「しかし、船酔いとはなー…」「迷惑かけて、ごめんね」

「別にそれはいいんだが…これから2日も乗ったままなんだけど、大丈夫か?」「うん、大丈夫だよ」

その青い顔で言われても、説得力が無いぞ。

「とりあえず、今日はもう寝よう」「そうね」「うん…」「そう言えば、アカネは?」

部屋に戻ると、ぐっすりと眠っていた。そうだよな、夕食の時にあれだけ飲めばな。

真夜中、そっと部屋のドアが開く。


翌朝、部屋のドアを叩かれる音で目を覚ます。ドアを開けると、血相変えたマユが立っていた。

「何だ、こんな朝早く…」「早く来て下さい!」

マユに引っ張られながら、甲板に行く。そこで、マユがある方向を指差す。

「海賊です!」「海賊?」「そうなんです。この辺りによく出没するんです」「へ〜…」

「どうしたの?」「何事ですか?」「海賊だってよ」「え!海賊…」

アカネは、それを聞いて物凄く驚く。

「アカネ、そんなに驚いてどうしたの?」「え!あ、何でも無いですよ…何でも…」

ミツキと2人で首を傾げる。

「あれを倒せばいいんだろ?」「はい…」「私達にとっては、簡単な話ね」「そ、そうですね…」

「どうしたの? さっきから様子が変よ」「何でも、無いですよ…」

海賊船が船の横に並び、海賊達が船に乗り込んで来た。

何故か、アカネはこそこそと物陰に隠れる。そこから、そーと様子を伺っている。

「何やってんだ?」「さー。アカネらしくないわねー」「いつもなら『やっつけましょう!』ていだろ」

海賊の頭がやって来る。

「この船は、俺達が占拠した!命が惜しければ、食い物と金を出せ!ん? あそこに居るのは…」

頭は、隠れているアカネに気が付くと、ジーとそっちを見る。

「アカネさん」「ジョウジ…君」

ミツキと顔を見合わせる。

第三章に続く


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