君ラヴクエスト -第九章-
マユを助けて、無事に船で旅立った。その夜、船内の食堂でミツキ達が酒を飲み騒いでいる。

俺は、甲板に出て夜空を眺めている。後ろで物音がしたので、警戒しながら振り返る。

すと、そこにはマユが立っていた。

「なんだー、マユかー」

マユは、ただ黙ったまま立ち尽くしている。

「どうした?」「まことに申し訳ないでごさる…」

ござ…る?

「とても酷い事をしていたらしく…」「ちょっと待った!アレは、仕方が無いことで…」

「死んでお詫びをするしか…」「何〜!ちょっと待ったー!」

慌ててマユを止める。

「離して下さい!このまま生き恥をさらすくらいなら、いっそのこと…」「とりあえず、落ち着け!」

「武士の情け…」「ぶ、武士!?」「あ〜!煩いわね〜…」「お!アユじゃないか。こっちに来て手伝ってくれ!」

「あん? うがぁ!あんた…まさか…」「違う!絶対に、お前が思ってる事は絶対に無い!」

「本当かしら?」「この状況を見れば判るだろうが〜!」「まったく、仕方が無いわね」

アユと2人でマユ何とか止める。

「うーん…気にするなって方が無理かもな。でも、アレはマユの意思じゃないんだし…」

「何時までもうじうじしてんじゃないわよ!見てるこっちが嫌になるさ!」

ふにとアユの頬を摘んで引っ張る。

「あいだだだ…」「少しずつ、気持ちを整理していくしかないと思うぞ」

マユは下を向いたまま、小さく頷く。

「だから、そんなに自分を責めるな。もう、誰もあんなことはしないって」「はなへ〜!」

下を向いていた、マユはゆっくりと顔を上げる。その目には、涙が溜まっていた。

いきなり、マユに抱きつかれる。驚きのあまり、アユを放り投げる。

「うがあああぁぁぁ…!」「大丈夫だから…」

そういいならがそっと頭を撫でてやる。すると、とても幸せそうな顔をする。

そんな事をしてる時、何かとてつもない物を感じ取る。

「あんた…いったい何をやってるの〜?」「ミ、ミツキ!これには深い事情が…」「そ、そうなんです…」

「マユは黙ってて!」「ぎょ、御意…」

やばいぞ…かなり酒がはいってやがる。これは、結末は決まったな。

「その理由を、ゆっくりと聞かせてちょうだい〜!」

ミツキはを引っ張りながら、部屋に連れて行く。

「あいたたた…ん? あいつは何処に行ったのさ?」「ミツキさんに連れて行かれましたよ」

「あんですと〜!うがあああぁぁぁ…!マユマユ、行くわよ!」「御意!」



「だから!俺は、マユを慰めててだけで…」「ふーん。そうなの」

まったく信じて無いな、この目は。

「俺とマユは何も無いんだって!」「いいのよ。別に言い訳しなくても。私は気にしないから」

「はい?」「たとえ、ロリコン趣味でも。仲間は仲間だからね」「ちょっと待って!話を聞いてたか?」

「うん。聞いてたわよ!」

だったら。なんでそんな結論になるんだよ。

「俺が好きなは…」「こら〜!さっきはよくもやってくれたわね〜!責任を取ってもらうさ!」

アユはそう言いながら、銃を俺の顔に突きつける。

「やっぱり、ロリだったのね」「だから、違うんだって!」「誰がロリじゃ〜!ボケ〜!」

「安心して、私は邪魔しないから」

ミツキはそう言って部屋から出て行く。

「ちょっと待て〜!」

アユと一緒にミツキを追いかけて、部屋から飛び出しす。



「あ、ミツキ。お帰り〜」「ねー、早く飲もう」

ハルカは嬉しそうに手を振る。当然のことながら、アカネは完全にできあがっている。

ミツキは大ジョッキを一気に飲み干す。

「うわ〜、凄いね」「私でもそこまでは出来ないよー」「お代わり〜!」

「ねー、ミツキ…」「何かあったの?」「別に…何も無いわよ!」

『ねー、絶対に何あったんだと思うんだけど…』『うん、私もそう思うよ』

「2人でこそこそ話してないで、飲みましょう!」「あ!私は、アカネを部屋に連れて行くね」

「だったら、2人で行こう。その方が楽よ」「そうだね」

そう言って、2人のハルカはアカネを連れて消えていく。

「何なのよ、付き合いが悪いわねー」

ミツキは、また大ジョッキ一気に飲み干す。

第拾章に続く


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