君ラヴクエスト -第拾章-
「何処に配達があるんだ?」「次は、狩人の村です」「はん!どうせまた、罠に…あいだだだだ…」

「お前は少し黙ってろ!」「はなへ〜!」「それじゃ、行こうか」「御衣!」

こうして、俺達は狩人の村にやって来た。

「ここがそうか〜」「あ、アカネ〜!」「あ、チズル〜!」「久しぶりねー。元気だった?」「うん!」

「知り合い…なのか?」「私に聞かないでよ」

2人は飛び放て喜んでいる。しばらくして、茜ちゃんが紹介をしてくれる。

「私の親友のチズルです」「どうも。始めまして、チズルです」

その後、アカネは俺達のことを紹介してくれた。

「ねー、アカネ」「なに?」「勝負しない?」「勝負? どんなの?」「狩りの勝負よ!」

チズルは弓を取り出して、アカネの前に突き出す。

「何だか、昔を思い出すね」「そうね…」

2人は空を見上げる。

「なー、アカネって昔何をやってたんだ?」「私も知らないよ」「うん。突然、居なくなったから」

「そして、突然帰って来たと」『うん!』

2人のハルカは同時に頷く。

「行こう!」「そうね、負けないわよ!」「こっちだって」

2人はそういうと、なぜか俺の腕を捕まえて走り出す。

「俺は関係ないだろ〜……」

乗った者は、ただ呆然とその光景を見ていた。



「行っちゃったね」「でも、なんで連れて行かれたのかなー?」

2人のハルカは首を傾げる。しばらく考えたすえに、考えるのを止める。

「そうです!」「あ、あんなのさ。いきなり大声だして」

1人でウンウンと頷いている。そして、何やら紙切れを取り出す。

「やっぱり、そうです」「ちょっと、マユマユ…何を1人でやってるのさ?」「これを見て下さい!」

マユは紙切れをバッと前に出す。とある部分を指差す。

「この町には、ここにしかない!名産品があったんです!」「名産…品?」「はい!」

「で、何なのさ?」「ここに書いてあります!」「えーっと、『芋きんつば』と『ドネルケバブ』ですって〜!」

『え!芋んきつば!』「ハルカ!行くわよ!」『うん!』

3人は物凄い速さで走って行く。

「はえ〜…」「な、何なのさ。いったい…」


「ここで始めましょうか〜」「そうね」「あのさー。なんで、俺は連れて来られたんだ?」

その時、殺気を感じ取り2人の頭を抑えながら、地面に伏せる。

「何をするんですか!」「まったく、何を…」

後ろの木々が音を立てて、倒れ始める。

「検圧だけでよくやる」「け、検圧!」「一体、誰が?」「うまく避けたなー。さすがと言っておくよ」

「タ、タケル!」「え!」「何だって!」「間違いないわ。あれは、タケルよ」

タケルはフッと笑う。

「よー、委員長じゃないか」「委員…」「長…?」

アカネと一緒に首を傾げる。

「その呼び方は、やめてって言ってるでしょ!」

俺はタケルとチズルを指差しながら、アカネの方を見る。アカネは首を横に振る。

「まあ、いいさ。どうせ、お前らはここで死ぬんだからな!くらえ〜!空刃斬!」

横に飛び、それをかろうじてかわす。

「ち!」「ここで、俺の下僕になるだったら、命は助けてやるぞ」「誰があんたなんかに!」

「そうだ!お前の下僕になるくらいなら、俺は死を選ぶ!」「ほ〜!その強がり、何時まで続くかな!」

ち、これはまずいぞ。あの攻撃がある限り、うかつに近づけない。

「よそ見をしている暇は無いはずだぞー!」

タケルは、剣を振り下ろす。今度は、空気の柱が飛んでくるが、それもかわす。

「なんとか、かわしたか〜。だが!これはどうかなー」

今度は、連続で打ちして来る。避けている時に足にあたり、その場に倒れこむ。

「く!」「どうやら、勝負はついたようだな〜」

タケルはゆっくりと歩いて、俺の所にやって来る。そして、俺の首に剣をつきつける。

「おっと、残りのお2人さん。下手に動かない方が良いぜ。さ、武器を捨てな」

2人は言われるがまま、武器を投げ捨てる。

「そうだ、それでいい。それじゃーな」「ふ、ふふふふ…」「な、何が可笑しい!」「お前には聞こえ無いのか?」

「な、何のことだ?」『コーホーコーホー・・・』

「お前にも聞こえてるはずだ。お前が一番、嫌いな声がな〜!」『タ〜ケ〜ル〜ちゃ〜ん!』

それを聞いた、タケルは竦みあがる。

「形勢逆転だな!」「ちっ!」

タケルはその場から立ち去ろうとするが、見事に捕獲される。

「何処に行くつもりなのかなー? タケルちゃん…」

その後、タケルはボコボコにされたのは言うまでも無い

第拾一章に続く


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